【あんスタ】-続- いまさら プロデューサーと いわれても

66　◇.カミングアウト ページ29

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「嬢ちゃん、宮原先輩__お兄ちゃんを許してやってはくれないかのう？」


助け船を出すように、朔間先輩が言葉を紡ぐ。



『…兄さんは、私のことが嫌いでしょ？

だから、ずっと私が嫌がることをしてきた。
前の学校のこととか、お母さんのこととか……！会うたびに…。




なのに、なんで今更……優しくするの…？



兄さんにとって、私はいらない存在でしょ！？

死んだ方がいいんでしょ！？



なのに、死なないでって……
朔間先輩も……許してやってくれって……



もう、意味が分かんないよ……！！』



涙が頬を伝う。

兄さんに“あの時のこと”を言われるたび、辛くて苦しくて…。

けど、本当のことだから何も言い返せなくて……



何度も死のうと思ったんだよ？
兄さん、貴様の言葉で。









「宮原先輩は嬢ちゃんのこと、嫌っちゃねぇよ。

学生のころはよく、嬢ちゃんの話を聞いたもんだ。妹が可愛くて仕方がないってな…」


口調が昔に戻った朔間先輩。

それに驚いたが、朔間先輩の話の内容には更に驚いた。



『そんなことあるわけない。』


「いや、ある。


宮原先輩は、



“極度のツンデレ”ってやつだ。



ずっとそうだった。
好きな女ができた時も、極度のツンデレが発生して、何度もふられてるのを俺は見てたからな…」





なに、そのカミングアウト。


兄さんを見ると、顔を真っ赤にしてうつむいている。

知られたくなかった情報だというのはすぐわかった。




「A……」


兄さんは顔を上げ、私の名を呼ぶ。



『…何？兄さん…』



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