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そんなこんなで連れてこられた
見るからにおどろおどろしくて不気味なこの場所
そう、魔界
そこの素人でもわかる明らかに豪華な建物に連れられて
彼女に大きな椅子に座らされる。
状況を全く理解できていない私を見て
私を連れてきた当の本人は私の前に立って
まるで品定めするかのように私のことをじっくりと観察している
『あの…』
なにを話せばいいか、どうすればいいのか
まったく何もわからない私が恐る恐るに声を発する
それに気づいたのか彼女は、「あ、ごめんね!つい!」と笑顔で言った
「姉妹って言っても、こんなに違うんだなぁ
やっぱ過ごした環境が違うからかな?」
『え?』
彼女はゆっくりと私に近づき、私の頭に触れようとする
何をされるのかわからず自然に体が固まった
が、彼女はただ私の頭を優しくなでるだけだった
「迎えに行くのが遅くなってごめんね、おかえりなさい、私の妹」
そういう彼女の表情は
とても魅力的で
愛情に満ち溢れたような眼で私を見ていた
ー−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
彼女は私に1から説明してくれた。
人間界とは違う魔界のこと、悪魔のこと、
そして
私と彼女のことを。
どうやら私と彼女は血のつながった姉妹であるらしい。
そして私たちの家系は魔界では有名な貴族、サタナキア一族。
そんな家系で生まれた私たちだが、一つだけ秘密があるという。
それは
私たちの母親が、人間であるということだ。
父親はサタナキア一族の中でも力を持つ有名な悪魔だった。
そんな彼が恋に落ちたのが、人間である私たちの母親
周りには人間というのを隠し生活していたものの
二人に私という子供ができたときに状況が一変する。
そう
私は姉と比べて人間の遺伝が強く出ていたのだ。
姉は悪魔と人間の割合が9:1だったのに対し、
私は5:5、ちょうど半分まで人間の遺伝を引いたのだ。
半分でも人間というのは悪魔からしたらご馳走で
ましてやまだ生まれたばかりの子供では、
狙われる対象になるのは目に見えていた
彼らは私のことを考えて、人間界におくることにしたらしい
そして大きくなってから、
人間界から魔界に連れてこようと計画していたそうだ
「だからほんとはもっと早く連れ戻すつもりだったんだけどね、」
姉は伏し目がちな目で私を撫で続けた
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作者名:らむねるねるね | 作成日時:2023年1月25日 22時