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…誰?
“ 知ってるくせに ”
知らない、貴方は誰だ?
“ 君が私を裏切った、全部君のせいだ ”
つぅ、と額から汗のような物が流れ落ちた。
“ ねぇ…そうでしょ? ”
『ぅ……やめ、やめて…っ!』
司「! 大丈夫か?」
類「息が荒いね、具合でも悪いのかな?」
“ ねぇ、A ”
『……っ、ゔゔゔ……ッ…!!』
司「大丈夫か!?」
類「司くん、Aくんを頼むよ、僕はミクくん達を呼んでくる」
司「ああ! 頼んだぞ!!」
記憶が暴れる。
蘇らなくても良い記憶の部分だけが、はっきりと。
司「A…!!」
『……っあ、天馬、さん…!』
司「…A、オレの声が聞こえるか?」
『…はい』
司「今、何が起きているか説明できるか?」
『……っ、嫌』
司「…」
『話したく、ないです』
司「そうか……っ!?」
私のスマホが光る。
ミクが迎えに来てくれた、そう思った。
天馬さんには申し訳ない、あと神代さんにも。
ミク『ごめんねA』
__________
冷えていく感覚。
体の芯まで。
「…起きた?」
『……ミク、私…』
ぎゅっと抱き締められる。
ミク「ごめん、今のは私が本当に悪かった」
『……大丈夫だよ、ミクは悪くない』
そう、変わらない私が悪いんだから。
だから、そんなに悲しい顔をしないで。
ミクにはそんな顔をしないで欲しい。
ミク「でも、これからは別のセカイに行くのはやめよう。
これ以上君が傷付いたらどうしようもない」
『……1個、聞いても良い?』
ミク「何?」
『どうして、あの2人が居たの?』
ミク「…あの2人って?」
『誤魔化さないで』
ミクが息を呑んだような顔をした。
『私をずっと見てたなら分かるよね?
天馬さんと神代さんの事だよ、私が怒鳴った人。
でも、許してくれた人』
ミク「……」
『あの2人を…信じて良いのか、分からない』
ミク「司と類は、必ずAを救ってくれる」
『どうして?』
ミク「…」
『どうして、そんな無責任な事が言えるの?』
ミクの瞳に映る私は、まるで獣のようだった。
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作者名:ramune | 作成日時:2022年1月10日 19時