出逢い ページ2
ーーーーひらりひらりと散り行く花びらーー
ーー日本の春の主役と呼べるその花はーーー
ーー5月上旬の今日、舞台から降りるのだーーー
少しずつ暖かくなっていくこの季節、今日もクラスの皆はのびのびと学校生活を送っていた。
｢おはよ〜A♪｣
元気よく私の名前を呼ぶのは1年からの親友トト子
｢おはようトト子♪｣
私の挨拶を聞くとトト子はニコッと微笑んだ。
｢A〜何の委員会にするか決めた〜？トト子ねぇ、文化祭の実行委員会にしよーかな｣
前後で隣の私たちの席に座り今日決める委員会の話をした。
委員会は1人一つは絶対入らなきゃいけなくて…
｢珍しいねトト子が面倒くさそうな委員会を選ぶなんて｣
疲れることをしたくないトト子が文化祭の実行委員だなんてびっくりだ。
｢んー、絶対面倒臭いと思うけど活動するのって文化祭の準備とか当日だけじゃない？その後は無いから楽だな〜って思って｣
なるほど。短い期間頑張り、長い期間暇な委員会という事だな。考えたなこんにゃろ。
｢ふふ…トト子にピッタリだね、私は図書委員会かな〜本読むの好きだし、本なんて皆借りに来ないでしょ？だから絶対暇だと思うんだ〜｣
私もまためんどくさがり屋なのだ。
ーーーーーーー
帰りのSHRが少し早く終わり、今日決めた委員会の集まりに行く。
｢良かったね私達やりたい委員会に入れて！｣
｢そーね！でも今から集まりとか…トト子早く帰りたーい｣
私達は教室で別れた。
私は別館の図書室に行く。
別館の一番最上階の図書室からはグラウンドが見え、桜の木がすぐ近くにある。私は図書室が大好きだ。
SHRが早く終わったおかげで時間よりも早く着いてしまった図書室はとても静かだった。
(あれ、奥の窓が開いてる)
一つだけ開けられている窓の近くへ行く、すると、本棚でさっきは見えていなかった男の人がいた。
先輩であろう男の人は春の暖かい風に触れられながら明るい空を眺めていた。
男の人は私に気づき、こちらを見た。
微笑んだ暖かい笑顔に私は目が離せなかった。
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作者名：パラ | 作成日時：2017年5月13日 14時
