▽水色１０ ページ21
Nakamu side
満たされないと泣くのは
きっと、満たされたくて欲しがるから
起きたら人がいた
Na｢な、何で、シャークんいるの｣
sh｢部屋が開けっ放しだったから｣
Na｢え？開けっ放しだった!?｣
その問いに彼は頷く
Na｢ぁぁぁ、俺やっちゃった･･･｣
何でこんな事も出来ないんだ、俺
だめじゃん、迷惑かけちゃうじゃん、心配すらもかけてしまう
軽く嘆いていたら
sh｢大丈夫だよ、俺もある｣
Na｢それはそれで問題では？｣
何で俺がツッコまなきゃいけないんだ
少しボサボサした髪を触り整える
こんなに寝癖ついてたんだ
少しボーっとしていたら
sh｢なかむ、もしよければこれ｣
Na｢何･･･あ!これ、これ!どうしたの!急にこんな･･･｣
シャークんがその手に持っているものは!
sh｢え？あ、いや、なかむがこの店のお菓子食べてみたいってのをきんときから話聞いたから。｣
えっマジ?
超嬉しいんだが!?
もうお菓子を手に取りながら
Na｢え。も、貰っても良いの?｣
目を見つめながら言うと
sh｢あぁ、全然良いぞ。お前の為に買ったし｣
Na｢わぁっありがとシャークん!｣
お菓子片手にシャークんに抱き着くと
Na｢っあ、ちょ、シャークん?｣
sh｢･･･ごめん、暫く、少しでも良い、このままで･･･｣
俺の胸元に顔を埋めるように抱き付いてくる
まるで子供みたいなしゃけだった
sh｢･･･頼む｣
背中に手を回して小さく震えるしゃけを優しく抱き締める
Na｢怖い夢でも見た?｣
sh｢多分。･･･聞くなよ｣
確かめる様にぎゅっとされる
数分前に感じた感覚に似ている気がしたのは
きっと気のせいだ
だってシャークんとは喧嘩をして
そしてそこに居なかった筈なのだから
Na｢ふーん、別に良いけど｣
それに"俺が死んだ日"の記憶なんて
皆、無いはずなのだから
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作者名：rhum | 作成日時：2021年4月26日 19時
