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「……王様は大抵傲慢だし、今更気にしなくたって、」
「それもそーか、」
ゴホ、と血の塊を吐き出すイザナ。
「もういいよ、これ以上喋らないで…」
「―――今まで生きてきて、良いことなんか一つもねぇって思ってたけどさ、」
私の言葉を遮ってまで、そう続ける彼に、思わず言おうとしていた言葉まで飲み込んでしまって。
「好きな女の膝で死ねるなら、オレの人生、そこまで悪くは、なかったかもしんねぇな」
―――そう、嬉しそうに言って微笑んだのを最後に、イザナはピクリとも動かなくなった。それが彼の、最期だった。カクチョウ君の悲痛な声が、どこか遠くで聞こえたような、気がした。
エマちゃんのお葬式は、滞りなく進んだ。万次郎は意外にも落ち着いていて。
ドラケン君の言葉に、私もまた泣いてしまったけれど。稀咲は死んで、その相棒みたいな人は現在も逃走中。
そうした悲惨な結果と共に、関東事変は幕を閉じた。
その次の集会は、東卍としての最後の集会となった。東京卍會が解散してしまうのはとても寂しいけれど、それはそれで良かったのかもしれないと、今ではそう思える。
絶頂の今、終わらせることによって、その思い出は記憶の中で永遠となる。
タケちゃんは未来へ帰るのだとか。彼のタイムリープに関しては、まだ若干信じ切れていないところもあるけれど。
私達はもうすぐ高校生になり、隆とも別々の高校に。きっと彼は、本格的に自らの夢の実現のために邁進していくのだろうし、私も頑張らなくちゃと思えた。
……ちゃんと高校は第一志望に受かりました、私ってえらい。受験勉強ちゃんと頑張りましたから。
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ミツキmitsuki(プロフ) - さいっこうに面白かったです!みんなの特徴を捉えてて、本当にすごい… (12月30日 14時) (レス) @page44 id: 75866be232 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - 三ツ谷君かっこよすぎです。。。。。この作品に出会えてめちゃくちゃ幸せです。。。!ありがとうございます!! (12月28日 1時) (レス) @page44 id: 612ac16389 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - 隆が男前すぎてキュンキュンが止まりません!完結おめでとうございます! (7月8日 9時) (レス) @page44 id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - ドラケンがいない気がするけど気のせいでございましょうか?あと最っっっっっっ高です! (2022年9月9日 18時) (レス) @page44 id: f72f202f06 (このIDを非表示/違反報告)
shoko0619(プロフ) - この小説大好きすぎます。大好きです。消さないでください。 (2021年12月31日 9時) (レス) id: 9301928d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年9月25日 14時