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「ヤベ、かなり遅れちまった。…Aのやつ、怒ってっかな」



放課後、人気のない廊下を、焦ったように走る人影が一つ。
それは言わずもがな、手芸部部長である三ツ谷隆で他ならない。



「ワリィ、部活長引いてさ、」

ガラガラとドアを開ければ、そこには一人の少女の姿が。



夕暮れの教室、空は燃えるような茜色に染まり、開け放たれた窓から入り込む風が、カーテンを優しくなびかせている。



「…遅い。もうほぼほぼ仕事終わった。あと日誌の感想書くだけなんですけど。もはやこれを狙ってたのか?」


頬杖をつき、恨みがましくこちらを見つめる彼女から、思わず視線を逸らす。



「マジでごめんって。苺大福奢るからさ」

「そりゃ人間だれしも失敗はあるよね、うん。隆は手芸部の部長やってるんだから仕方ない。そんなこともあるさ」

「…お前、マジでチョロいな」

「へん、どうとでも言ってくれ」


相変らず、可憐と精巧、その極致のような美貌を誇る彼女―――椎名Aは、ツンっと顔を横に逸らした。





どんな学校でも、日直という制度は存在する。私のクラスでは、席が隣の者同士でペアになってその仕事を行う。



言わずもがな、私は隆とペアだったんですが。その仕事ほぼほぼ全部私がやったんだよ。隆は忙しいから仕方ないっちゃ仕方ないけど、でも大変だったんだからな。



苺大福一つでチャラにできる食い意地の張ったチョロインで悪かったですね。卑屈っぽくなりながら日誌の感想爛を書き込めば、「悪かったって、」と隆が隣に座る。




日誌を書き終わって教卓に置いた後、2人っきりの教室で他愛もない会話を交わす。



「A、」

「どしたの?」

話をしている最中に、急に隆が深刻な顔つきになった。どしたんや。急な腹痛か?下痢気味?



「あの時、Aのこと守れなくて、本当に悪かった」

「いやいいよそんな頭下げなくても。大丈夫だって、ほら、傷跡もすっかりなくなったし」



急にそんな謝られても、こっちが困惑する。どうしたらいいのかわからなくて、取り敢えず綺麗さっぱり傷の消えたほっぺたを隆に見せた。


「…ホントか?」

「ホントだって。ほら、触ってみ?」


そう言えば、おずおずと手を伸ばす隆。指先が、そっと私の頬に触れる。

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- え、これって駿台模試の英文ですか!? (2022年5月22日 13時) (レス) @page15 id: 8b077b9bca (このIDを非表示/違反報告)
わたし - まって、私坂本なんだけどw (2022年5月11日 17時) (レス) @page6 id: 4ecae0ff80 (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - シュウさん» そうなんですよ…時間があればいろんな人のエンドつくりたいとか思うんですけど、話数的に厳しかったり…(´・ω・`)楽しみにしてくださってありがとうございます! (2021年9月28日 7時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
シュウ(プロフ) - 夢花さん» この作品いつも楽しみにしています。三ツ谷も千冬もマイキーも選べない!各々のエンド作って欲しいです(土下座(願望なだけなのでご無理はなさらなず) (2021年9月28日 4時) (レス) id: ad2f2b2a8f (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - 千冬…………まぁ、可愛いければなんでもいいよね!!!うん!!! (2021年9月24日 18時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年9月3日 9時

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