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Episode35 ページ36

Aの言葉は続く。


「自分達がモテないのを朱里ちゃんのせいにするのはどうかと思う。あなたたちがモテないのは、朱里ちゃんのせいじゃなくて、あなた達自身に魅力がないから。人のせいにするのはダメ」



言いたいことだけ言い終えると、Aは颯爽とその場を後にする。



「何あれ、超ムカつくんだけど」

「やめとこ、もうほっとこ」


刺々しさは含まれていたものの、さっきよりも覇気がない彼女たちの声音。
あれほどの美人に、面と向かって真顔で“魅力がない”と言われたことが、やはりこたえたのだろうか。







彼女たちがトイレを出て行ったあと、朱里も遅れてそこを出る。



「…どうしよう」

誰もいない廊下に、一人でしゃがみこむ。





…どうしよう。マイキーやドラケンよりもずっと、もっとずっとAのことが好きになってしまいそうだった。…否、もう既に、好きになっている。



こんなつもりじゃなかった。当初の予定では、こんな風になるはずじゃなかった。




「…」

――――ゆっくりと顔を上げた時、朱里の心はもう決まっていた。









「急にどうしたんだよ、話って」

マイキーが訝しげにこちらを見つめている。折り入って話がある、と持ち掛けて、いつものメンバーを呼んでもらうように頼みかけたのは、他でもない朱里自身だった。


マイキーも、ドラケンも、三ツ谷も場地も松野も、パーやペーもじっとこちらの言葉を待っているようで。だから、朱里は切り出した。





「私前に、Aちゃんに酷いこと言われたって、言ったよね」

「…おう」

「あれ、全部噓。私、本当はAちゃんに何も言われてない」



「―――はぁ?」

一気に皆がざわつき始めて。それにも構わず、淡々と言葉を続ける。




「マイキー君達の気を引きたかったから、マイキー君たちと仲が良さそうだったAちゃんが邪魔に思えたんだよ。…だから、噓ついた」


「…それで、Aのことハメたって言うのか?」



こちらを見るマイキーの瞳は、怒りに燃えていた。
――――仕方がない、と心の中で呟く。これが彼女に対する罪滅ぼしになるのかは、わからないけれど。




見れば、周りの皆も同じような顔をしていた。


「俺は、お前のせいでAに、」

「―――何で今、それを言おうと思ったんだ?」


マイキーの言葉を遮り、静かな問いを投げかけたのはドラケンだった。

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グラニー京子 - 面白かった! (2022年4月4日 14時) (レス) @page38 id: 90faee3a30 (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - ふゆきさん» 朱里ちゃんそこまで気に入っていただけるなんて…!番外編、楽しそうなんですけどね… (2021年12月30日 23時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - わかめさん» 返信遅くなってすいません!…ええっ、ほんとですかめっちゃ嬉しいです是非是非見てみたいです!! (2021年12月30日 23時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - ももさん» ぐへへ、ほんとですか?←きも 愉快になっていただけたら嬉しいです! (2021年12月30日 23時) (レス) @page37 id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
ふゆき - 主人公ちゃんと朱里ちゃんの絡みが凄い好きです!番外編とかでみんなの日常編みたいなの作って欲しい… (2021年12月30日 9時) (レス) @page38 id: 0daf234829 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年9月13日 23時

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