Episode18 ページ19
■side＿＿＿乾青宗
佐倉Aとはいわゆる、“幼馴染”の関係だった。
幼稚園の時のお遊戯会で、白雪姫を演じていた彼女に、幼心ながら一目で夢中になって。
――――この時、A4歳、青宗5歳。
家がたまたま近所だったという事もあって、毎日のように話しかけた。
最初はフリーズされたり、こいつ誰だみたいな顔をされたり、散々な結果に終わってばかりだったけれど、1年後、ようやく顔と名前を憶えてもらって。
基本的に、1人を好み、自由を愛する彼女と友情を育むのはなかなかに大変だった。
だがしかしそんな苦労も、時折Aの見せる笑顔の前に全部吹っ飛んでいって。
時間にして約10年以上、それだけの歳月をかけてようやく彼女と、今の関係を築き上げるに至った。
Aのことを誰よりも知り、誰よりも仲のいい友人であると自負しているけれど、恋愛面に関してはさっぱりで。歯がゆい思いをすることだって少なくない。
「今日、うちに遊びに来る？」
「……え、いいのか？」
「うん。昨日ゼリー作り過ぎちゃったからさ、青宗も食べてよ」
「すぐ行く、てかこのまま行っても構わないか？」
「え〜…、まあ、いいけど」
ちょっと眉をひそめた後、仕方なさそうに微笑むA。綺麗な黒髪がサラリと風に靡き、トクンと胸が高鳴った。
「そんじゃあ私の家まで、デートするとしますか」
―――Aはズルい。きっと“デート”という言葉も、ふざけて言っただけなんだろうけど。明らかに特別だと分かるような笑顔で、そんなこと言われたら、益々好きになるしかなくなる。
自分ばっかりがAのことを好きみたいで、実際そうなんだけれど、それがなんとなく癪に障る。
「ねえねえ青宗、ゼリー、何味がいい？」
「行ってから決める」
…最も、そんなもやもやも、彼女がその可愛い声で自分の名を『青宗』、と呼んでくれるだけで、どこかへ消え去ってしまうのだけれど。
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グラニー京子 - 面白かった！ (2022年4月4日 14時) (
レス) @page38 id: 90faee3a30 (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - ふゆきさん» 朱里ちゃんそこまで気に入っていただけるなんて…！番外編、楽しそうなんですけどね… (2021年12月30日 23時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - わかめさん» 返信遅くなってすいません！…ええっ、ほんとですかめっちゃ嬉しいです是非是非見てみたいです！！ (2021年12月30日 23時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - ももさん» ぐへへ、ほんとですか？←きも 愉快になっていただけたら嬉しいです！ (2021年12月30日 23時) (レス) @page37 id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
ふゆき - 主人公ちゃんと朱里ちゃんの絡みが凄い好きです！番外編とかでみんなの日常編みたいなの作って欲しい… (2021年12月30日 9時) (レス) @page38 id: 0daf234829 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨降り星
| 作成日時：2021年9月13日 23時
