Rainbow Kiss〜ナナイロのキスの味〜No.4

Blueberry Kiss17 ページ17

A「そうですけど……」




桜「しかも、健永のことだ」




な、なんで……？！


大きく動揺した私を見て桜井さんは、あーあ、と残念そうに呟いた。




桜「ビンゴ？なーんかオカシイと思ったんだ」




A「何か変でした…？」




桜「お手洗いに追いかけてったし、席奪われたし。しかも、健永のAちゃんを見る目が違ってた」




A「恐ろしいですよね…アイツの目付き」




桜「恐ろしいていうか……心配そうな目だった。俺に盗られないかどうか？」




ズキン、と胸が騒ぎ立てる。


……本当に健永がそんな目をしていたの？


私には様々な雑念がありすぎて、彼からの愛のサインに気付けなかったのかもしれない。


それにしても……勝手すぎるよ。


合コンに来たのは健永の方なのに。


桜井さんと同じ様に誰かを口説きに来たんでしょ？


たまたま私が居たから心配なんかしなきゃいけない事態に陥ったわけで、本来ならヘラヘラしていたに違いない。




桜「とにかく……こんな可愛い子を泣かすなんて、後輩でも許せないな。僕なら……Aちゃんを泣かせない」




真剣な眼差しで……


胸がドキドキと動きだしたと同時に、しくしくと泣き出した。


どうやっても、桜井さんの気持ちに答えることは出来ないから。




A「桜井さん……わたし……」




桜「ストップ！こんなに早く結論出されても勝ち目ないからいい」




A「でも……」




桜「誕生日！一緒に過ごさせてくれるんでしょ？」




拒むことが出来ないくらいに優しげな瞳で問いかけてくる。


……どうしよう。


私を気にかけてくれるのは嬉しいけど、気を持たせる行為なんて出来ない。

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