2 ページ3
秀明が終わり、帰ろうと廊下を歩いているとき。
「立花？」
と、腕を掴まれたのだ。
振り返るとそこには、それは上杉くんだった。
「なんか暗いけど、大丈夫か？どした？」
と心配そうに覗き込んでくる。
助けて………。
もう無理。
疲れた。
やだ。
私の口から出た言葉は、こんな荒れまくった心とは裏腹にスルッと嘘が出てくる。
「………大丈夫だよ。
…じゃあ、もう遅いから帰るね。バイバイ。」
と言って掴まれた腕を振り払う。
我ながら、本当に可愛げがない。
『………大丈夫。』
そんな言葉が、私の心をさらに固くさせてゆく。
もう、無理だ。
下に目を伏せて黙々と歩いていると、また後ろから捕まれた。
案の定、振り返ってみるとまた上杉くんだった。
「もう、暗いし。送っていく。」
その言葉に私は、
「いつもこれからもくらいの時間でしょ。………大丈夫だから。」
と返すものの、腕に込められる力は変わらないまま、
「それでも送っていく。………迷惑？」
そう聞かれると、返答に困る。
まぁ、これ以上なんて言ってもしょうがない気がするので、このまま送ってもらってしまおうと思い、
「じゃあ、よろしく。」
と言って歩き始めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヨモギ(プロフ) - 思わず引き込まれてしまいました！凄いです！これからも応援してます。頑張ってください (2019年8月17日 2時) (
レス) id: 33f83633e3 (このIDを非表示/違反報告)
彩奈 - 更新頑張って！亀更新でもいいよ。 (2019年2月22日 20時) (レス) id: c4ccdcc99d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Raia。 | 作成日時：2019年1月20日 22時
