【薄桜鬼】ブラコンの妹ちゃんが恋をするのは、誰でしょう？

17話　　　貴side ページ18

花が、斎藤さんにとられるのではー、
そう思えた。

冷静に考えれば、そんなことはない。
暗殺者としての機能を失った者は、消去される。

現に、僕も花も、昨日に、1秒前に、友達だった人を殺してきた。
花は、浅慮ではないとわかっていたのに。

とられる、と思った。


そこからは、あまり覚えていない。
気づいたら、斎藤さんの腕の中にいた。


貴 「さ、斎藤さん？」

斎藤 「A、何にそう怯える必要がある？
　 それでは、昔の俺と一緒だ。
　 俺は、土方さん達に出会えたから、よかったものの
　 お前の周りには、誰もいない。いて、冬原 花ぐらいだろう。」

知ってる、そんなこと。
言わないで、怖い。やめて。
だめ。泣きたくない。泣いちゃダメ。

斎藤 「影がどうあろうと、あんたはあんただ。
　 しかし、それだけでは影に呑まれてしまう。
　 だから、俺がそこから助け出す。」

助けてくれる…？

何考えてるの？捨てられるだけだよ。

そんなことないんじゃない？

いろいろな感情が、交差する。
何がいけないのか、何を頼ればいいのかわからない。

そんな僕が最終的に出した答えは、

貴 「……考えさせてください。」

僕の頭の中を恐怖が占拠した。

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