les plume Ⅱ【月永レオ】 (ページ1)

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- 朱桜司と独奏曲/第一話ページ1

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私が天羽お姉様と呼び慕っている彼女は、一言で表すと不思議というべき方だった。かつて5奇人と呼ばれていた先輩方や、他の『Knights』のメンバーである先輩方と似ているようで、全く違う雰囲気を纏っていて。

…

「あいつは、とにかく騒がしい奴だな。俺が何処に居ても気が付くと視界のどこかで騒いでいた」

…

蓮巳先輩の言うことに思わず首を傾げてしまう位には、彼女は蓮巳先輩の言った姿とは異なる姿をしていたように思う。

私が彼女を見かける時は大体は瀬名先輩や凛月先輩、鳴上先輩と緩やかなペースで会話をしていらっしゃったからか、自分の中での勝手な印象はどこか落ち着いて、周りを見て場の空気を和ませながら、まるで自分はそこに居ないかのように周りからの視線で物事を判断している。そんな、どこか儚げで、大人びていながらもその中には小さな子供心を秘めているような。良い意味でも悪い意味でも、例えるならまるで空気のような人だった。

ただ、蓮巳先輩の言う通り。どこにいても、気が付けば視界のどこかにいて、名前を呼んでくれた。声をかけてくれた。1人でレッスンをしていた時も、苦戦しているところがあると直ぐに気づいて指摘をしてくれた。

そんな彼女の姿に憧れていくことに、あまり時間はかからなかったように思っている。同じ舞台に立ちたいと願い始めた日は、DDDが始まるより前のこと。

『わたしはこんなふうに…やってたかな。司も同じようにできる？』
「は、はい！えっと、…こう、ですか？」
『よし、できてる！だんだん自分なりに感覚掴めるだろうからたくさんやってみて。司ならできると思うから』

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