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Aちゃん、って声かけたらなに、ってなんか素っ気ない返事が返ってきた。
聞くしかないさかい聞くけど、忘れられてたらって思うと結構怖いんやでこれ…
「結婚のこと、忘れたん」
「…っ忘れてへん!!でも、センラくん忘れてるかもしれんし、好きな人おるやん普通。
まさか、覚えてくれてるなんて思ってなかったさかい、」
優しく尋ねると、僕とは違ってちょっと声を荒らげてAちゃんが話し出す。
…真っ赤な顔して、そんなん言われたら僕まで赤くなるやん。
今も昔も、好きな人なんかAちゃん以外おらんのに。
「僕覚えてるから…
他の人と付き合うとか無しにして欲しい…です、」
「わ、わかった…」
僕、カッコ悪。
語尾もちっちゃなるし、最後は敬語やし。
お互い照れながら、手を繋いで帰った今日。
…
今年で何年目やろか、今日はAちゃんの誕生日。
俺は卒業して、大学行って、一般企業に就職してそろそろ3年目。
社会人3年目とかまだまだやねんけど、自分の生活を節制して貯金してきた。
…まあ色々したくてな。
今日はスーツ着て仕事やとか言いつつ、俺は会社とは反対の方向へ足を運ぶ。
実は誕生日なん忘れてるフリしてるから、Aちゃんしょんぼりしてたな。ごめんやで。
「すみません、予約してた折原なんですけれど」
「あぁ、お待ちしておりました!こちらの商品のこのサイズで間違いないでしょうか?」
「はい。それでお願いします」
ありがとうございました、という店員さんの声を聞いて再び家へ向かう。
こんな早うに家帰ってきたらAちゃんびっくりするやろなぁ。
あ、そや。
俺は背をくるっと向けて反対方向へ歩き、ある店へ入った。
「この赤のバラ、3本だけ貰えますか、」
またもやありがとうございましたという声を聞いて歩き出す。
ふは、Aちゃん鈍感やから気付かんかもな。
「ただいま〜」
「え、センラくん?!」
Aちゃんがパタパタと走ってくる。
が、俺をみて固まった。かわい、その反応嬉しいわぁ。
俺は鞄を置いてポケットからさっき買った指輪を取り出し、彼女の前に跪く。
「お誕生日おめでとう、Aちゃん。
俺と結婚してください。」
指輪の箱をぱかっ、と開けてAちゃんに見せる。
彼女の顔は涙に塗れてたけど、そんな彼女も愛しい。
あの時の約束がやっと___
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こっとん(プロフ) - ゆるさん» コメントありがとうございます♪ 更新続けさせていただきます!!マイペースに頑張って行きますので、続編もよろしくお願いします! (2019年1月25日 17時) (レス) id: 76e3d99d4e (このIDを非表示/違反報告)
こっとん(プロフ) - しゅがー@こたぬきさん» コメントありがとうございます〜 ああああ温かいコメントが元気の源です… 頑張りますので、どうぞこれからもよろしくお願いします! (2019年1月25日 17時) (レス) id: 76e3d99d4e (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - たのしんでるので、がんばって更新続けてください!もちろん自分のペースでゆっくりゆっくり・・・私はいつまでも待ち続けますよ! (2019年1月23日 21時) (レス) id: 8533be78e2 (このIDを非表示/違反報告)
しゅがー@こたぬき - 面白いです!いい作品で読んでいて楽しいです!無理せずに頑張ってください! (2019年1月23日 20時) (レス) id: 1f604a1e22 (このIDを非表示/違反報告)
こっとん(プロフ) - ハゲつるマン@19830617さん» わわっ、ハゲつるマンさんからコメントが!???!めちゃくちゃ嬉しいです、、!なるほど、そういった考え方もあるんですね。もう少し考えてみます、貴重なご意見ありがとうございましたm(_ _)m (2019年1月23日 20時) (レス) id: 76e3d99d4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こっとん | 作成日時:2018年10月11日 17時