Good Old Days 036 ページ2
夏はとっくに去ったし、秋も過ぎた。
そして、(まだ1月だけど)私達秀徳高校バスケットボール部の冬も、終わった。ウィンターカップが、終わった。
――――――
たとえクリスマスに朝から晩までバスケの練習が入っていても、誰一人として不平不満を零さなかった。
それは、みんな、この過酷な練習が勝つためだと理解していて、そのうえで「勝ちたい」と望んでいるからだ。もしくは「勝たせてあげたい」と願っている(というか単純に練習がキツすぎて文句を言う隙がなかった、とか)。
私の場合は、前者でもあり後者でもある。自分自身が負けず嫌いということもあるし、バスケ漬けの毎日を送る彼らに、報われて欲しかった、から。
なのに、負けた。
私達秀徳に勝って決勝へと駒を進めたのは洛山で、その洛山を下して日本一の称号を手にしたのは、誠凛だった。
わかっている。ウィンターカップで3位になれたことを誇るべきだってこと。
ただの部活動にしては入れ込みすぎたくらいだよ、とデリカシーのない慰められ方に、やるせなさと一種の納得を感じてしまう。
でも、もうこのチームで試合は出来なくて、もう先輩達と一緒に勝てないんだ、という事実が胸に突き刺さって、ジクジクと痛みを持つ。
表彰式で、誠凛の日向さんがトロフィーを掲げているのを見ると、また涙が溢れそうになった。必死で瞬きを繰り返していたから、きっと隣にいた宮地さんには気付かれていたんだろう。
やけに長ったらしく感じられた閉会式の後ロッカールームで、ベンチに膝を抱えながら座っていると、木村さんが横に腰をおろして、私の頭をぐしゃぐしゃといささか乱暴に撫で回した。
「……髪、崩れます」
「もうひでえ顔してるんだから今更意味ないだろ、ヘアセットくらい」
木村さんにそう言われた時、私はやっと自分自身が泣いていることに気付いた。
慌てて、零れ落ちる大粒の涙を拭ったけど、心に苦く残る悲しみは払拭出来ない。
「……別に、泣いても誰も責めねえよ」
鼻声の宮地さんが言った。
「みんな泣いてんだ。お前の面なんざ、気にしねえよ」
嘘つき。気にしてくれてるから、声をかけてくれたクセに。
2人とも、泣きはらした目をしているのに、自分達だけ先輩ヅラして私には涙を見せないなんて、ズルいですよ。
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ふなふね(プロフ) - コメントありがとうございます……！ すごく力になります！ 作者はこれから多忙になることが予想されるのでそれまでにガンガン更新していきたいと思うので見捨てずこれからもこの作品をよろしくお願いします！ (2023年3月19日 8時) (
レス) id: 7172b187f5 (このIDを非表示/違反報告)
和‐ｶｽﾞ‐(プロフ) - ふなふねさんの、この作品めっちゃ好きです！これからも更新頑張ってください！ (2023年3月19日 7時) (レス) @page19 id: 5655eee53b (このIDを非表示/違反報告)
みかん - やっぱり作り直すのやめて、パスをもう自分でもメモしないとわからないやつにかえました！お互いに頑張りましょう！ (2022年6月27日 16時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
ふなふね(プロフ) - みかんさんヘ―ありがとうございます。お互い頑張りましょう。水無月歌恋さんへ―目を通してくださりありがとうございます。励みになります。 (2022年6月26日 20時) (レス) id: 350748c4de (このIDを非表示/違反報告)
みかん - はい！私が占いツクールで小説書こうと思ったのふなふねさんのおかげですから！後、私の駄作を読んでくださってるんですか！ありがとうございます！荒らされた件でもう一度作り直しますのでまっていてください！ (2022年6月26日 15時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふなふね | 作成日時：2022年4月21日 21時
