Youth 005 ページ6
飲み会が始まって2時間。
そろそろ潰れる者も出てきた頃だ。
「んぅ……A……Aっ……」
私の肩に顔を擦り付けてくる和成が可愛すぎてツライ。
だってさぁ、こんなイケメンに酔ってる時に自分の名前呼ばれたらさ、大体の女は落ちるよ。
別に、和成が私に抱く感情が恋愛的な意味での好きだと勘違いしているわけではない。
和成は肉食系だから、本気で恋愛してるならもっとガツガツくるだろう。ただの推測でしかないけど。
そう思案している私の耳元で、スウスウという寝息が聞こえてきた。和成は、寝たらしい。
……和成の寝顔、可愛いな。
写真とか、撮ってもバレないよね……? よし、撮ろう。きっと和成は起きないさ。
私がポケットからスマホを取り出して写真を撮ろうとすると、おっちゃんがスッ……と懐から一眼レフを出してきた。
いいの? こんな高価なもの借りちゃって、と目配せをすると、いいんだよ、愛しの高尾くんとAちゃんの為だから、という視線と熱い頷きが返ってきた(気がした)。
どうせ被写体は酔いつぶれて眠った人間なんだから一眼レフの無駄遣いではあるけど。
もはや、私とおっちゃんは運命共同体だった(気がした)。
カシャ。
高級なカメラは、シャッター音もどことなく高級な感じがする。
撮れた写真をそっと覗く。
うん、よく撮れている。おっちゃんが貸してくれた一眼レフの名に恥じぬ良い画像だ。
「ちょっとぉ〜、Aちゃんん〜? なあんでオレの寝顔、撮ってるわけぇ〜?」
悦に浸っていると、高級なシャッター音に反応したのか和成がもそもそと起きた。
「お返しっ!」
そう言って、私の唇にキスをした。
「どげべっ?! なっ……」
私が色気もクソもない叫びをあげるのを見て、満足気にへらっと笑ってまた夢の中へ旅立っていく和成。ぬぅ、画になるなあ。
一部始終を見ていたおっちゃんは「推しが尊い……」と呟いて、困惑している私と再度眠りに落ちた和成の姿を、一眼レフに収めた。
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ふなふね - 猫さん» コメント感謝です! 思い入れ結構あるので歓喜しております。 (2022年4月24日 17時) (レス) id: 350748c4de (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 私もっと高尾君が好きになりました。 私この作品大好きです!続きが楽しみです! (2022年4月17日 16時) (レス) @page47 id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
猫 - すみません!友達になろうのコメントいとこがわざと書いたんです!なのできにしないでください!・・・でもこれからもわたしのさくひんよんでくださるとこうえいです! (2022年4月17日 9時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
ふなふね - 猫さん» ありがとうございます! とっっっっっっっても励みになります。ぜひコメントさせていただきますね。 (2022年4月16日 14時) (レス) id: 350748c4de (このIDを非表示/違反報告)
猫 - とても面白いです!・・・どうしたらここまで面白くなるの!?・・・・アドバイスがほしいのでできたらでいいのですが、私の作品「ダシャレが私たちの運命を」のコメントコーナで教えてください!(ちなみに多分、占いツクール 黒子のバスケででで来ると思います!) (2022年4月16日 13時) (レス) @page10 id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふなふね | 作成日時:2021年9月29日 19時