Good Old Days 034 ページ47
「Aっち、今日はありがとっス」
「オレらのためにわざわざ来てくれたのに、バスケばっかしてて悪かったな」
和成の運転するチャリアカーの荷台部分、真太郎の横に腰をおろした時、黄瀬君と笠松さんが私を呼んだ。
秀徳の色に染まった空をバックに立つ黄瀬君が、珍しくきちんとしたイケメンに見える。
「あ、それなら大丈夫です。小堀さんにも話したんですけど、今日は海常の偵察も兼ねてたんでね」
私がそう言うと、彼らは目を丸くさせた。なんか、2人とも同じ反応してて面白い。
「明日合コンなんだよね? 頑張れ。いつか戦績教えてね」
言い終わらないうちに、真太郎が「さっさと自転車を出せ高尾」と被せてきたので、私は慌てて海常さんに手を振った。
黄瀬君と早川さんは両手をぶんぶんと振り返し、笠松さんは手をヒラヒラさせた。
森山さんは、さっき笠松さんに蹴られたところを左手で押さえつつも「バイバイAちゃん」と言ってくれた。
小堀さんは、そんなチームメイトに苦笑いしながらさよならのジェスチャーをした。
……小堀さんも大変だろうね、と、今度は私が苦笑した。
「楽しかったね〜」
何故かムスッとしている和成と真太郎に喋りかけた。
「そりゃーAちゃんは楽しかったでしょうねー? オレらのこと散々放って置きやがって」
「今回ばかりは高尾に同意だ。約10話もの間出番がほぼなかったのだよ」
えぇ……そんなメタいこと言っちゃう? なんて思いつつ、確かに彼らの言い分に一理ある、と考え直す。
「許してよ。ホラ、真太郎のラッキーアイテムが珍しく役にたったんだからさ」
機嫌直してよ。と言ったら和成が、自転車を漕ぎながら怒った。
「はー?! オレら、Aのために夏休み最終日間近なのに、付き合ってやったんだけどっ」
「うっ……そう言われると、罪悪感。確かに、ツッコミである私が生粋のボケ2人をほったらかしにしちゃったら、誰も自分のボケ拾ってくれなくて寂しかったでしょ」
本心からの言葉だった。だって、真太郎は電波野郎で和成はそれに悪ノリするから、この3人の中だったら、私がツッコミに回ることが多い。
私がそう言うと、チャリアカーがキキッという音をたてて急停止した。つまりは、和成が運転を止めブレーキをかけたのだ。
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ふなふね - 猫さん» コメント感謝です! 思い入れ結構あるので歓喜しております。 (2022年4月24日 17時) (レス) id: 350748c4de (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 私もっと高尾君が好きになりました。 私この作品大好きです!続きが楽しみです! (2022年4月17日 16時) (レス) @page47 id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
猫 - すみません!友達になろうのコメントいとこがわざと書いたんです!なのできにしないでください!・・・でもこれからもわたしのさくひんよんでくださるとこうえいです! (2022年4月17日 9時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
ふなふね - 猫さん» ありがとうございます! とっっっっっっっても励みになります。ぜひコメントさせていただきますね。 (2022年4月16日 14時) (レス) id: 350748c4de (このIDを非表示/違反報告)
猫 - とても面白いです!・・・どうしたらここまで面白くなるの!?・・・・アドバイスがほしいのでできたらでいいのですが、私の作品「ダシャレが私たちの運命を」のコメントコーナで教えてください!(ちなみに多分、占いツクール 黒子のバスケででで来ると思います!) (2022年4月16日 13時) (レス) @page10 id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふなふね | 作成日時:2021年9月29日 19時