Good Old Days 011 ページ24
スーパーでの買い出しが終わってから、私はおしるこを作るべく高尾君のお宅にお邪魔した。
家に入り、キッチンに向かうために居間を横切ると、高尾君の妹がいた。お邪魔するね、と軽く会釈すると、ニコッと笑顔を返してくれた。
「妹ちゃん、可愛いねー」
おしるこを作りながら、高尾君に喋りかける。
そう、私は彼女の笑顔にハートを撃ち抜かれてしまったのだ。
「だろ? 我が妹ながら、天使。マジオレに似なくて良かったわー」
イヤイヤ、お兄ちゃんの方も大分男前だと思うけど。モテまくってるでしょ。
そう言おうと思ったが、そういうの家族に聞かれるの嫌なお年頃かもな、と思い直して、「そんなことないよ、そっくりじゃん」にとどめておいた。
それから、話題はバスケに移り、今日の練習の時宮地さんがどーだの、次期主将は誰になるんだろうだの、話が弾んだ。
やっぱり、私達2人ともバスケ馬鹿でバスケ大好きなんだな、と実感する。
その時、高尾君が恐ろしいことを口にしたのだ。
「てかオレら、仲良い夫婦みたいだなー」
私は、高尾君がおーい、生きてっかー? と生存確認をしてくれるまでの間思考と動きを止めてしまった。
高尾君が、目の前で手を振っていたので、ハッとする。
「ふっ、夫婦って! まだ付き合ってるわけでもないのに、色々すっ飛ばしすぎでしょ。私、ちゃんと段階踏んだお付き合いじゃなきゃお断りでーす」
なんだそりゃ、現実主義だなーと笑う高尾君。
「お前アレだろ、少女漫画とかでも名前呼びイベントとか手繋ぎイベントちゃんと描写してほしいタイプだろ」
「恋愛系読む大抵の人はそうでしょ。それが恋愛漫画の醍醐味ってヤツでしょ、キュン要素なくてどうする」
高尾君が、フーンそんなもんなんだな、と興味なさそうに言った。
「オレらバスケ部、体育会系だからなー。みんな名字呼びだよな。あ、裕也さん下の名前で呼ばれてるか。残念だったな日田、お前名字被りいなくて」
蓋を取って、鍋の中の小豆達の様子を確認しながら、別に女子からは割とAって呼ばれてるよと反論した。
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ふなふね - 猫さん» コメント感謝です! 思い入れ結構あるので歓喜しております。 (2022年4月24日 17時) (レス) id: 350748c4de (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 私もっと高尾君が好きになりました。 私この作品大好きです!続きが楽しみです! (2022年4月17日 16時) (レス) @page47 id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
猫 - すみません!友達になろうのコメントいとこがわざと書いたんです!なのできにしないでください!・・・でもこれからもわたしのさくひんよんでくださるとこうえいです! (2022年4月17日 9時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
ふなふね - 猫さん» ありがとうございます! とっっっっっっっても励みになります。ぜひコメントさせていただきますね。 (2022年4月16日 14時) (レス) id: 350748c4de (このIDを非表示/違反報告)
猫 - とても面白いです!・・・どうしたらここまで面白くなるの!?・・・・アドバイスがほしいのでできたらでいいのですが、私の作品「ダシャレが私たちの運命を」のコメントコーナで教えてください!(ちなみに多分、占いツクール 黒子のバスケででで来ると思います!) (2022年4月16日 13時) (レス) @page10 id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふなふね | 作成日時:2021年9月29日 19時