新story30 ページ31
練習中は余計な事は考えないように。
洛山とのリベンジを果たすためには、もっともっと瞬発力をつけなきゃダメだ。
一瞬の隙も許さないあのエース...
正直、赤司以上な気がした。
あの人からボールを奪えなければ勝つのは厳しい。
そしてあの日見た、大輝の進化したアリウープ。
あれ...私もやりたい。
何とかダンクまで出来る跳躍はついた。
アリウープをするにはさらに高度なテクニックが必要になる。
空中でパスを受けながらダンク...
より高く跳ばないと空中にいる時間がない。
大輝が出来るなら私も出来る。
やってやる!
笠「アリウープか...まだ黄波には早い」
貴「笠松先輩...でもやりたい」
笠「だったらもっと跳躍の力をつけろ。足のバネをもっと上手く使えるように練習すんだ。
今の状態でアリウープの練習をすれば足に負担がかかりすぎる」
的確な指示とアドバイス。
インターハイには間に合いたい。
笠松先輩の練習メニューをしっかり頭に叩き込む。
笠「今日はここまでだ」
黄「Aっち。お疲れ様!」
貴「涼太お疲れ!」
首元に視線が来ないようにタオルを巻きつけた。
着替えをして更衣室を出ると、涼太がベンチで待っててくれた。
黄「今日は俺がご飯作る番っスね!」
キラキラ眩しい位の笑顔の涼太。
さっきの事が思い出され...申し訳ない気持ちになる。
貴「...ありがとう」
黄「ハイッ!」
いつものように手を差し出す涼太。
私はその手をしっかり握る。
黄「俺ご飯作るから、先お風呂入ってきていいっスよ!」
貴「ありがとう!」
涼太は優しい。
シャワーを浴びながら今日アイツに触れられたところ、アイツがつけた跡...
これまでかって位ごしごし洗った。
貴「洗いすぎたかな...ヒリヒリする...」
上がってからドライヤーで髪を乾かす。
その度に鏡越しから見える...あの跡
”ズキン”と心が痛むのが分かる。
”グイッ”
突然、髪を乾かす私の手を引く涼太...
やばい...
黄「首見せて」
涼太分かってる...
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作者名:nanana23 | 作成日時:2017年5月24日 0時