【あんスタ】純白の君へ【男主】

96.明星スバルside ページ4

貴方｢ちょ、ちょっと待ってよ…！！｣



後ろから聞こえてくる戸惑った声

そんな声の主の細い手首を掴んである場所へと

彼を連れ込む

辿り着くのは、誰も居ない



明星｢早く早く！人が来る前にさ！｣



放課後の体育館

数十分後には部活が始まって、騒がしくなる

人が沢山来てしまう

君も練習室へと消えてしまう


君を一人占めしたい


体育倉庫からボールを持って来てポイっとAへパスする

いきなりの事に戸惑いながらもパスを受け止めるAはなかなか、バスケのセンスがあると思う


なんで彼をここへ連れてきたかと言うと

そんなのは単純で



明星｢A！パス！！｣

貴方｢えっ、えと、はい！｣



Aからの丁寧なパスを受けて

スリーの位置からシュートを打つ

手から離れたボールは吸い込まれる様にゴールへ

パシュッ、と心地いい音が体育館に響く


彼の方へと向くと目を輝かせて手を叩く姿が

そんな彼にピースをしながら笑いかける


俺が君を拐った理由、そんなのは単純で



貴方｢スバルやばいね…！恰好いい！流石バスケ部！！｣



君に、いつも恰好いい君に

"恰好いい"と言わせたかった

"恰好いい"と思って欲しかった


部活を見に来て欲しいと言えば良かったのだけれど

それだと困った事が起きるんだ

五月蝿い先輩に奥手な後輩、それに負けたくないライバル

俺だってそれなりにバスケは上手いと思うけれど

1番な訳じゃない、それに


君に他の奴を見て欲しくない

君は俺だけを見ていればいい

それでいい、それがいい、そうじゃなきゃ嫌だ


それから少しの時間だけだけれど

練習に付き合ってもらって分かった事がある

俺が良い所を見せようとしたのに



貴方｢っ！……！！見た？！入った！｣

明星｢見てた！凄いねA！｣

貴方｢えへへ…｣



Aがバスケのセンスがあり過ぎる

結局Aは恰好いいし、可愛いんですけど


折角恰好いい所見せれたと思ったのに…

そう思った矢先



？？｢誰かいるのか…？｣



体育館の扉が開く音がしてち〜ちゃん先輩が入って来る


今先輩がAに気が付いたら面倒臭い事になる

絶対にAに触れようとする



明星｢嫌だ｣



開けた扉の上には『体育倉庫』の文字

聞こえるAの驚く声



貴方｢ス…スバル…？｣



急いで扉を閉めて鍵をかける

どうしてこんな事をしているのかも自分でよく分かっていない

でも、多分









.









君がまだ足らなかったんだ

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