【あんスタ】純白の君へ【男主】

110.羽風薫side ページ18

俺は君を、Aくんへの想いを

忘れようと、消そうと、断ち切ろうとして

昨日も今日も明後日もその次の日も

女の子と遊んでいる


学校に居ても街中に居ても

何処に居ても、女の子は引っ掛かる

今日も学校では沢山の女の子に話しかけられて

今だって可愛い女の子達の視線を浴びている


今まで女に困った事なんて無い


何回も付き合った、何回も告白された

これだけ聞けば順風満帆な奴だ

自分でもそう思う

だけど


恋が叶った事なんて1度も無い


"初恋"は叶わない

そんなの知ってるよ、分かってるよ

でも、だけど、諦められないんだ


君がまた俺の目の前に現れるなんて思っても無かったから



羽風｢じゃあ、早く行こっか｣



隣には小さな可愛い女の子

門を出て、少し歩けば見える並ぶ店達

昼過ぎだからか人が多い



羽風｢おっと！…大丈夫？｣



人混みに呑まれそうな女の子の手をさり気無く引き、隣を歩かせる

案の定、照れる女の子を見て思う


これが君だったら良いのに、な


失礼だって、そのぐらい分かるけれど

思ってもしまうものは仕方が無い


女の子と居る時、頭をチラつくのはいつも君だから


…？


白く美しい肌と髪

綺麗な瞳と顔

形の良い唇、細い手足

高い身長に長い脚

そして、日傘


横をすれ違う時に見えた彼の

哀しそうな瞳と怒った表情


俺の思いが通じて会うことが出来た彼は

俺に声もかけずに、笑いかけもせずに

目も合わせずに素通りして行った


…どう、して…？


さっきの人…なんか、"不気味"…でしたね


真隣で吐かれたその言葉に

一気に頭に血が上る



羽風｢君はそうやって人の事を蔑むんだね…俺からしたら君のその上目遣いの方が比べ物にならないくらい"不気味"だよ｣



悪いけど、俺帰るね

そう残して来た道を戻っていく

振り返る時に見えた彼女の顔

酷い顔だったなぁ…


不気味

一般的には彼はそうなのかもしれない

でも違うんだ、そうじゃない

あの子は、あの人は

本当に美しく綺麗な人なんだ


駆け足で学校まで戻り、彼を探す

やっと見つけた彼は校内へと姿を消してしまう


待ってと声もかけても無視して歩く彼に追い付いたのは、彼が練習室の扉を閉める直前だった



貴方｢…なんですか…｣

羽風｢とりあえず練習室、入れてくれない？｣



明らかに態度がいつもと違う彼









.









ねぇ…どうしたの？









俺勘違いするけどいいのかな

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