【完結】幸せな生活【進撃の巨人】《リヴァイ兵士長》

二十三話(過去) ページ23

ねむた……


目を閉じるとそのまま眠ってしまいそう。

人の部屋に泊めてもらうのに先に爆睡……というのは避けないと。



がちゃ


自己暗示を繰り返していると扉が開く。


私は渾身の力を振り絞って目を見開いた。


「眠いのか」

「いや……はい……」


否定しようとしたけど
やっぱり睡魔には勝てなかった。


「ガキはもう寝ろ」


若干呆れ気味に言われてこくりと頷く。


……あぁ、ありがたい……


「あの……どこで……」


リヴァイ兵士長は少し考えてからベッドを指差した。


「俺がソファーで寝る」

「すみません……」


リヴァイ兵士長の言葉も頭に届かないまま私はベッドに潜り込んだ。




＿＿

筋肉のついた指がすっと少女の頭を撫でた。

そうしながら彼は今日の出来事を思い出していた。


それにしてもこいつ、よく売人から逃げ切ったな。

＿＿そいつらは当然“消される”だろうが＿＿

片方が生きれば、片方が死ぬ。よくあることだ。

こいつは生きる権利を自ら勝ち取った。

十一にしてはたいした根性だ。

しっかりしているといえば、まぁそうなのだろうが。マリア崩壊によってそうなったのだとすれば同情する気持ちがわいてくる。


そして布団から覗く腕の細さに、思わず眉間にシワが寄った。

ろくに食べていなさそうな腕だ。

しかも、縛られていたのか手首が赤くなっている。

こんな子供がたくさんいる世の趨勢にため息を吐いた。



＿＿おかしい。


こんなガキに同情するなんて。


それより仕事だ。


次の壁外調査のん作戦のチェックを頼まれているのだ。


俺は立ち上がると机に向かった。

二十四話(過去)→←二十二話(過去)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す