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十九話(過去) ページ19

私は歩きながら考えた。

何故リヴァイ兵士長は地下街のことでここまで迅速に判断をくだせたのだうろうか。

調査兵団はあまりシーナのことは詳しくないイメージだったけど……


「おい」


そういえば案外親切だな……


「おい!」

「は、はい!」


ごめんなさい、やっぱり怖いです。


私が慌てて返事を返すとリヴァイ兵士長が
別の方向に視線を向けた。


「ここだ」


見上げると、意外と新しい建物が立っていた。

もっとボロいかと思ったのに、綺麗にしてある。


「入るぞ」


リヴァイ兵士長の言葉で我にかえって私は建物に入って行った。


野宿はしなくていいみたいだ。


早足でリヴァイ兵士長のあとを追いかける。


「今日はハンジの部屋に泊まって貰う」


……あの人か。


リヴァイ兵士長が目を向けた先には明らかに怪しい部屋があった。

木の扉には紫の染みができていて、全体的に緑っぽい。

他の部屋とは違う、異様な雰囲気を醸し出している。


「…………」


私が絶句していると、「諦めろ」という雰囲気をまとった視線と目が合う。

私は一度深呼吸してから、

恐る恐る扉を開けてみた。

軋む音に怯えながら少しずつ扉を開けていく。


瞬間、今までに嗅いだことのないな匂いが鼻腔を痛く刺激した。


「うっ!?」


勢いよく扉を閉めて、私は盛大に咳き込んだ。


「__ なんの匂いですか……?」

「……?」


彼は不思議そうに扉を開けたけど、私と同じ様な反応をして扉を閉めた。


「……あいつ、また妙なことを……」


“妙なこと”に興味がわかない訳じゃないけど聞かない方が良い気がする。


でも……ここで寝るのか……


「他に無いだろう……」


声に出ていたらしい。

もちろん事情を知らない人に今から説明して泊めてもらうにしても憲兵団のことはまだ口外できない。

致し方ないのだ。



「ですよね……」


まったく気が進まない。

でも、助けてもらったのに我が儘は言えない。


「……おい。この……ハンジの部屋と、俺の部屋、どちらか選べ」


……と思っていたが、


「リヴァイ兵士長の部屋が良いです!」


本能には逆らえない。

体が全力で身の危険を訴えていたんだから仕方ない。

普通は女の人の部屋に泊まるのが無難なところだろう。

だけど、あの部屋だけは無理だった。

私は心底ホッとした。


こうして私は、一晩泊めて貰うことになった。

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はるこん(プロフ) - ??さん» そうですね、これだとウサギ跳びみたいになっちゃいますね笑 直しておきました。ご指摘本当に嬉しかったです!ありがとうございます! (2020年4月11日 22時) (レス) id: 99f376c927 (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - 実は緩く縛られていたのでしょうか?でしたらそういう表現も文に入れていただけると想像しやすいです…。すみません、どうしてもそこの表現が気になってしまいコメントにて質問させていただきました…m(_ _)m (2020年4月11日 18時) (レス) id: dc3a8c3be2 (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - ただひたすらに走って行った、という表現があるのですが夢主はどうやって手足が縛られているのに走って逃げたのですか? (2020年4月11日 18時) (レス) id: dc3a8c3be2 (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。十四話(過去)のページ内の表現について質問があります。ページの最初の方に夢主が馬車の中で手足を縛られている、という表現がありますがその後同ページ内で、前に乗っていた男に蹴り出され馬車の外に出て夢主は逃げた、 (2020年4月11日 18時) (レス) id: dc3a8c3be2 (このIDを非表示/違反報告)
shinon※*(プロフ) - いえいえ!更新楽しみにしてますね!無理せず頑張ってください!! (2020年3月10日 20時) (レス) id: 4f45f8ab39 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はるこん | 作成日時:2015年8月20日 19時

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