二話 ページ2
「今日は筋肉トレーニングを行う!」
キース教官の指示に、全員で叫ぶように返事をした。
「今日のメニューは……」
キース教官がメニューを説明するなか、エレンが小声で話かけてきた。
「立体起動、早く使いてぇよなぁ」
エレンがぼやくのも無理はない。
立体起動は筋肉を酷使して成り立っているため、急に使用すると、簡単に肉離れをおこす。
だから、最初の一週間は程度は立体起動を使わせてもらえない。
……らしい。
「始めっ」
腹筋、背筋、腕立て。
ありふれた筋トレだが、量が一般的なエクササイズとはかけ離れている。
昨日の二人一組のトレーニングは、ミカサとペアを組んだ。
「一緒に組もう」
私が声をかけると、ミカサは快く了承した。
「まずは腹筋百回×2セット……先にAがやって」
「うん」
ミカサに促されてが腹筋の姿勢をとると、ミカサは私の足を押さえた。
「じゃ、いきまーす」
腹筋は得意だけど、50回を超えると息が上がってくる。
結局、百回やるのに5分もかかってしまった。
「ごめん、ミカサ……」
大体終わったペアから休憩に入れる。
だから、私が時間をかける分だけミカサも訓練時間が伸びる。
「別に平気」
ミカサはそう言って、平気な様子で2分で終えて見せた。
呼吸の乱れはほぼ無い。
……すごいなぁ
ミカサが百回やったから、次は私だ。
ミカサまでとはいかなくても、私も少しは頑張らないと
「A?」
私が意気込んでいると、ミカサに声をかけられた。
「なに?」
「Aは、無理したら駄目」
「……うん」
やっぱり、ミカサにはお見通しだった。
「最近は、大丈夫なの?」
ミカサの問いに、私は訓練兵になってからの生活を振り返った。
「発作ももうほとんど出てないし、前よりは全然良くなってるよ」
「そう。良かった……でも、無理は駄目」
「はーい」
ミカサは、私の病気を凄く心配してくれる。
私の喘息は小児喘息だから、といっても「気をつけた方が良い」と正論で返される。
もう12才。
ほとんど発作は出ていないから治ったと言ってもいいくらいなんだけどね。
「じゃあ、お願い」
ミカサにもう一度足を押さえてもらうと、私は腹筋を始めた。
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はるこん(プロフ) - ??さん» そうですね、これだとウサギ跳びみたいになっちゃいますね笑 直しておきました。ご指摘本当に嬉しかったです!ありがとうございます! (2020年4月11日 22時) (レス) id: 99f376c927 (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - 実は緩く縛られていたのでしょうか?でしたらそういう表現も文に入れていただけると想像しやすいです…。すみません、どうしてもそこの表現が気になってしまいコメントにて質問させていただきました…m(_ _)m (2020年4月11日 18時) (レス) id: dc3a8c3be2 (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - ただひたすらに走って行った、という表現があるのですが夢主はどうやって手足が縛られているのに走って逃げたのですか? (2020年4月11日 18時) (レス) id: dc3a8c3be2 (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。十四話(過去)のページ内の表現について質問があります。ページの最初の方に夢主が馬車の中で手足を縛られている、という表現がありますがその後同ページ内で、前に乗っていた男に蹴り出され馬車の外に出て夢主は逃げた、 (2020年4月11日 18時) (レス) id: dc3a8c3be2 (このIDを非表示/違反報告)
shinon※*(プロフ) - いえいえ!更新楽しみにしてますね!無理せず頑張ってください!! (2020年3月10日 20時) (レス) id: 4f45f8ab39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるこん | 作成日時:2015年8月20日 19時