続き ページ7
・
『こうちゃ〜ん、そろそろ休憩しない?』
急に声を掛けたせいで、こうちゃんの肩が思いっきり跳ねた。
「いや、……もうちょっと、頑張ります」
『んー……じゃあ、解けない問題とかあるー?』
彼を早く休憩させるためならどんな手だって使ってやる。
そう意気込んで、彼の真横に距離を詰めた。
「うわ……っ!
Aさん、距離……近すぎませんか?」
『ええー?そーかなー?』
イタズラっぽく言うと、こうちゃんはそうですよー、早く離れてください!なんて言いながら押しのけてくるもんだから、なんだか、こういうイタズラもありなのかーという気が起きて、いたずら心に火が付いた。
「だから、早く離れてくださいってばー!」
『んふふー。んで、どこがわかんないのかなー?』
「あー……もう駄目だこりゃ」
『なんか言ったー?』
「いえ、なんでも。……あ、それでこの問題が――――」
・
こうちゃんの疑問に付き合うことかれこれ3時間。もちろん、ぶっ続けである。
その間、拓司は帰ってきていない。
そろそろ休憩してくれないかな……。
そんなことをぼんやりと考えているとき、今迄黙々と問題を解いていたこうちゃんがふいに声を上げた。
「ふぃーっ!終わったー!!
Aさん、Aさんっ!」
『はいはい、何だい?』
「Aさんのおかげで終わりました!ありがとうございましたっ!!」
今度、どこかでお礼に奢りますね!
なんて女子顔負けの清々しい笑顔でいうもんだから、思わず倒れこみそうになった。
この弟感が堪らないんだよ、こうちゃんは。そして、なおかつそれを狙ってやっていない―――無意識なのが、もう本当にすごいんだよね。いろんな意味で。
こうちゃんにノックアウトされそうになった自分に慌てて活を入れる。
ダメダメ、まだイタズラできてない!!
よし、今こそ決戦の時だぁあああああああ!!!!!!!!!
・
295人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
唯華c - 了解しました!これからも応援しています!頑張ってください!! (2019年9月30日 1時) (レス) id: 7ff6de5a8e (このIDを非表示/違反報告)
瑞西(シャラルー☆)(プロフ) - 唯華cさん» いつも読んでくださってありがとうございます。リクは募集は一応しているのですが、少し複雑なので、公に募集をかける際には、本編の方で公募いたしますので、それまでお待ちください。 (2019年9月29日 11時) (レス) id: 705dc09b7e (このIDを非表示/違反報告)
唯華c - すごく面白いです!(上から目線ですみません!)更新がすごく楽しみです♪ちなみに、リク募などはしてませんか?もし、していたら教えて頂きたいです!これからも応援してます!(最後まで上から目線ですみません(・_・;) (2019年9月29日 0時) (レス) id: 7ff6de5a8e (このIDを非表示/違反報告)
瑞西(シャラルー☆)(プロフ) - みなも。さん» 了解致しました。それでは、宜しくお願い致します。 (2019年8月27日 16時) (携帯から) (レス) id: 0c3426b0a6 (このIDを非表示/違反報告)
みなも。(プロフ) - では私の方で削除させて頂きますね〜。マイナスなコメントは無いに越したことはないので(*^^*) (2019年8月27日 15時) (レス) id: d94cfd6036 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ