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「話はとりあえず理解しました。アンタは“幻桜花”に導かれたんです」
「げんおうか?」
「雪の中にこの桜とか紅の鳥居とか月とか、そんなんがありませんでしたか?」
そういえば…それで金縛りにあって石版の文字を読んで…
「この桜ともうひとつ繋がってる場所があるんですよ。所謂魂が彷徨う霊界で本当の所現世で生きている人間が行ってしまえば死んでしまう可能性もあるんよ」
「し、死ぬ?」
え?私そんなに恐ろしい所行ってたの?
けれどもあの灯篭の中に入っていた青い狐火も雪景色も全て現実のものでは無いと辻褄が合えば納得出来た
そう考えれば考えるほどもう二度と神社に行けない気がしてきて自分の両腕を掴み恐怖した
「でもアンタは運命だったんです。この石版が姿を見せることは滅多にないことやから」
「…やっぱりここは私の知っている世界ではないと」
「まぁ俺から見れば異国の者に見えますけど」
私から見れば異世界に見える、ということは確実にそういうことと確定する
「とりあえず帰れるようになるまで俺の住処に来ますか?」
溜息をひとつ付いたあとセンラさんは私に向かって突発的な提案を持ちかけてきた。その言葉に反応し彼の方に向き直った
つまり私のことを匿ってくれるって言う解釈で合ってるのかな?
「いいんですか?」
「いいも何もどこも行く宛がないんやろ?」
「うっ、それはそうですけど…」
痛いところを突かれ私はぐうの音も出ずに黙りこくった。良薬は口に苦しって言葉があるけど私は今まさにその状況下に近い
「なら俺に着いて来てください。一人でくたばりたくないならですけど」
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夜紅茶(プロフ) - Naoさん» コメントありがとうございます!そんな前から見ていただいて嬉しいです!気長に続編を待っていただければ幸いです。 (2020年10月4日 19時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
Nao(プロフ) - この小説が書かれだした頃から見ているのですが夜紅茶さんの言葉選びは凄く人を惹きつけるもので素晴らしいと思います!続き待ってます!楽しみです! (2020年10月4日 18時) (レス) id: b92cb2f456 (このIDを非表示/違反報告)
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