夜蝶の都 ページ10
・
「…あの、さすがにもっといい方法はありませんでしたかね?」
「仕方ないやろ。あんた靴も何も履いてないんやから」
夜の都の表通りらしきところを歩き、周りの妖らしき方々からはひそひそと話し声が聞こえてきたり視線があちらこちらから向けられたり
どうしてこうなったかと言えば…
¨❀*✿*❀¨
「ほら置いてきますよー」
「ま、待ってくださっ…い!」
地面の方には小石、私はそれに全く気が付かずに草原の中にダイブ。
そういえば私靴も何も履いてなかったんだ…
お恥ずかしいところを目の前で見せてしまい私は勢いよく立ち上がりセンラさんに深深と頭を下げなんでもないと誤魔化した
「…そういえば人間がこの先裸足で歩いたら怪我なんて面倒な事がおきそうやなぁ」
「いや、本当に大丈夫ですから。迷惑をかけたくないし」
なんて言ってるけど足が傷だらけでボロボロになりそうなんて未来は既に自分でも見据えている。けれどもお世話になる身なのだからそこまで考えることは無いと彼に伝えた
「…仕方ないですね」
彼は私に近づき足と肩の当たりに手を添えてそのまま自分の体は宙へと浮いた。その時に彼の口調とは正反対なくらいの優しい菊の香りが鼻の辺りを掠めた
これはよく少女漫画とかに出てくるイケメンがやる行動の一つ、姫抱きというものなのでは?
自然と顔を見上げれば色白で凹凸がはっきりした顔がこちらを見下ろしてふっと口端を軽く持ち上げた
「世話焼きなお嬢さんやねぇ?」
「…面目ないです」
・
121人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜紅茶(プロフ) - Naoさん» コメントありがとうございます!そんな前から見ていただいて嬉しいです!気長に続編を待っていただければ幸いです。 (2020年10月4日 19時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
Nao(プロフ) - この小説が書かれだした頃から見ているのですが夜紅茶さんの言葉選びは凄く人を惹きつけるもので素晴らしいと思います!続き待ってます!楽しみです! (2020年10月4日 18時) (レス) id: b92cb2f456 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ