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「どういう訳か知らんが何かの手違いで俺んとこに届いとった。内容とか差出人については見てへんから安心せぇ」
「…そうですか。わざわざ足を運んで来てくれて感謝します」
一瞬センラさんの表情が崩れて目を見開いていたが何事も無かったかのようにすぐさま巻物を自分の懐に仕舞い込んでから志麻さんに貼り付けたような笑顔を向けていた
そんなにも大切なものなのかなと疑問を感じていると志麻さんはセンラさんの隣に並び悪戯のように特徴的な左目の下のホクロを寄せニヤリとした笑みになりながら肩に手を回した
「なんや?また恋文でも貰ったんか?」
「こ、恋文?」
「センラ沢山の異性から好かれとるからなぁ。優しくて権力もあってってな」
「別にAの前で話すようなものでは無いでしょう」
恋文って確か私たちの代で言うあの好きってことを文に綴るラブレターのことだよね?
いやでも確かにセンラさんにも熱狂的なファンがいるのも確実だからそういうのを貰っててもおかしくないよね。所謂学校の王子様立場である人の下駄箱に手紙がめっちゃ入ってたとかこの人普通にありそうだもん
「まぁでも今回は昔からの古き友人からの物でした」
すると志麻さんは先程からセンラさんに小突いていたの手を止めて急に興味をなくしたかのか「ふーん」とつまらなさそうな返事で流した
いや、志麻さんその反応さすがに酷いのでは?
「ま、用が済んだし俺はここでお暇させてもらうわ」
じゃーな、と後ろ背を向け御屋敷の並の身体能力じゃ登れないような高い塀を軽々と飛び超えていきその姿を月夜の空の下から消した
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夜紅茶(プロフ) - Naoさん» コメントありがとうございます!そんな前から見ていただいて嬉しいです!気長に続編を待っていただければ幸いです。 (2020年10月4日 19時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
Nao(プロフ) - この小説が書かれだした頃から見ているのですが夜紅茶さんの言葉選びは凄く人を惹きつけるもので素晴らしいと思います!続き待ってます!楽しみです! (2020年10月4日 18時) (レス) id: b92cb2f456 (このIDを非表示/違反報告)
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