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彼女は急に立ち上がり「私、お茶入れてきますから!」と言って彼女は顔を赤くさせながら勢いよく風のように客間から出ていった。
すると戻ってくるのは部屋の物静けさと先程のツンとした胸の痛み。
(なんだ?…さっきの気持ち悪いくらいドロっとして泥濘のように一瞬感じたものは。)
「天月くん。」
いきなり名前を呼ばれ目の前に意識を戻すと自分の視線は何故かまふくんを捉えていた。そして先程彼女が座っていた場所もはっきりと範囲内に入っている。
「…何?」
「今日はやけに大人しいね。どうしたの?」
ブラットルビーのように艶のある唐紅の瞳がこちらを見つめる。まふくんは魔法を使えばなんでも見通せるはずなのにあえて俺の口から言わせたいのか。
目の前にいるのは彼女も知らない“小悪魔の笑み”を浮かべるもう1人のヤツ。
「今日は天気が曇ってるからじゃない?」
「そう?…じゃあなんでAちゃんのことを視線でずっと追ってたの?」
続けて答えようとするけど何故か口から言葉がつらつらと出てこなかった。
いつもなら直ぐに言葉で誤魔化して突き放すことくらい容易いことなのに何かに制止されているのか……それとも
「もしかしてさ…」
「なわけないじゃん。」
まふくんが言ってしまう前に俺は言葉を遮った。違う、俺はなんも心とか関心は持たない。私欲なんて表すことが出来るのは純粋なやつだけで俺はその資格なんてない。
だから今日も目の前で偽りの笑顔を浮かべながら噺をする。それがどれほどひどくて醜い嘘でも。
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ヨル(プロフ) - コメントありがとうございます!何とかひねりにひねって作品を良いものにしていきたいと思いますのでよろしくお願いします (2020年1月16日 20時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - この作品好きです!続き楽しみに待ってます! (2020年1月16日 20時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
パピヨンlove - ヨルさん» いやいや全然!バイト〜〜〜頑張れ!!!!!(元気玉)いつでも待ってるよ(イケウ``ォ) (2019年8月21日 1時) (レス) id: 96ecbd33f4 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - パピヨンちゃんおひさ!ありがとねー!!今、バイトとかの予定で中々更新頻度が下がってしまってね…気長に待ってて! (2019年8月11日 19時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
パピヨンlove - ヨルさん久しぶり!!!!作品面白いね。読んでて楽しいよ!!更新頑張って! (2019年8月11日 13時) (レス) id: 96ecbd33f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜紅茶 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/qZN5vxyJ6V2/
作成日時:2019年6月28日 15時