ガラスの花に麗しいキスを３【歌い手】

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(ここから近いのはトゥルース城…だけど)


何故か妙に嫌な予感しかしなかった。あくまでも感だけで確定したものじゃないが。

こいつをトゥルース城の方に呼んだと天月から聞いていたが俺の仮説としてはそこからAが逃げているんじゃないかと思った。

けれどこのままAが住む屋敷に送っていったとしても奥様に迷惑をかけるというこいつの考えと心配性の一部で気を使い休む暇もないんじゃないかと思う節もあった。

顔を伺ってみると俺の膝の上で苦しそうにしながら眠っていた。触れてみても予想以上に高熱で流石に放っておくわけにもいかない。



(……仕方ないか。)




俺は外にいた執事を呼びある命令を下した。…まぁここよりは多少便利だろうし。



「おい。」

「浦田様、どうかなさいましたか？」

「これより午後からの予定を変更し自国へ帰還する。」

「天宮様と相川様には伝言等などはございますか？」

「とりあえずアイツらには後から詳しい事情をを聞きてーし、そうだな…3日後に『サニーフォレスト』に出向くように要請しとけ。招待じゃなくて強制の方な。」

「畏まりました。トゥルース街の兵士に申し付けておきます。」



あいつら多分こうでもしないとパスとか言って逃げそうだからな。あくまでも要請ってことにしとけば何とかなるだろ。



(まさかこんな形でお前を連れていくことになるとはな。)



俺は熱に浮かされるAを様子見していると馬車は急に勢いよく走り出し、トゥルースの隣の国『サニーフォレスト』へと向かい始めた。




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