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城門前には多くの女性が街中からでは収まりきらず、国中から大貴族の姿を一目見たいと足を運び行列を作り悲鳴を上げていた。
「天宮様!!」
「こちらを見てください!!」
うるっさいなぁ!!…俺はキャンキャンした声が苦手なんだけど!
俺は一応お出迎え役として城の目の前に立ってみんなのことを待っていた。…にしても遅すぎる気もするけど。
すると音楽隊が一斉に音を奏で始めた。彼らが到着した合図だ。俺は指を鳴らし、城の騎士団を警備として担当場所に当たらせた。
5台の馬車が見え始め、俺はニコニコとした笑顔を作りながら彼らが降りてくるのを静かに見守った。
「あ〜……だるっ」
最初に馬車から面倒くさそうに降りてきたのは『サニーフォレスト』の代表貴族“浦田渉”
本音をあまり漏らさないようにとあれほど浦田さんの使用人に注意されていたのに簡単に守らないのは、やはり彼らしい
「天月、可愛い子おるん?」
さも当然のようにさらっと女が喜びそうなことを言いながら降りてくるのは『アンリミテッド』の代表貴族“月崎志麻”
辺りを一望し見渡しているのは今日の相手を探すためでもあるのだろう。「可愛ええな」なんて偽の愛を囁くのが目に見えている。
「……」
無言で嫌そうに馬車から降りた赤髪の彼は『エンゼルホープ』の代表貴族“坂田悠”
「坂田様!」と言われているがそんなの目にも止めず、さっさとレッドカーペットの上を通り抜けて行った。
「ほんまさかたんは女嫌いが激しいなぁ」
優しい笑顔を浮かべながら登場したのは『アンダーロッキー』の代表貴族“折原千里”
彼は坂田とは反対に女性に対して手を振ったり軽く会釈をしたりと優雅な紳士をイメージさせるような手振りをしている。
「まふまふ!お前はちゃんと前を向いて歩けよ?」
「大丈夫ですよ!…….っわぁ!!」
「危なっ!」
仲良く馬車から登場して、親のように注意をしている方が『パールライン』の代表貴族“一ノ瀬彼方”と、早々にフラグを回収して転けそうになっているのが『ウィッチクラフト』の代表貴族“相川真冬”
二人は親同士との経営繋がりで幼い頃からの顔なじみなので現在も戦友として国を盛んにしようとしている。
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作者名:夜紅茶 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/qZN5vxyJ6V2/
作成日時:2019年3月18日 7時