検索窓
今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:96,031 hit

sweet×44 ページ45




初めて、気づいて言えた恋愛感情の好きの2文字。

契約した相手が偶然にもうらたさんだったから、近くにいたから。単なる理由としては傍から見たら甘いのかもしれない。


「だから、これからも臆病者で独り身の私を傍に置いてくれませんか」


彼のための彼への言葉。うらたさんの瞳を見て、うらたさんから目を離さないように彼の姿を捉えて反応を待つ。

心臓が、やけに煩い。


「…お前、それ道路のど真ん中で言うセリフかよ」


そして返ってきたのは溜息混じりの呆れたような声。そう指摘されれば我ながら大胆なことをしたなと少々体がくすぐったくなる。


「厄介者から離れられる最後のチャンスだぞ。世の中から卑下される覚悟は出来てんの?」


うらたさんは地面に足を着き、乾いた音を立てて降りてくる。それと同時にやまだぬきちゃんはうらたさんの肩から降り、そのままどこかへ姿を消した。


「だから、ここに来たんです」


もう、子供でもなく学生という中途半端な存在ではないから分かっていた。自分の今後のための大きな選択に私は後悔をしない。


「_ったく、お前ってやつは」


目と鼻の先の距離、それを縮めるためか強引に頭と腰を引き寄せそのまま優しく抱きとめられた。

鼻をかすめる爽やかなライムの香り。急に抱きしめられたせいか、呼吸することを一瞬忘れてしまった。


「これからは俺がお前の涙を拭ってやる。余計に泣かせたらそっちの方が厄介だしな」


耳元に聞こえた甘い声。うらたさんは力を緩め、私の両肩をそっと押した。


「好きだ。ずっと俺の傍にいろ」


彼は私の頬に骨ばった手を添え、うらたさんは顔を近づけてくる。私は自然に瞳が閉じて、そのまま深夜の街中で触れるだけの口付けを交わした。



sweet×45→←sweet×43



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (161 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
373人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夜紅茶(プロフ) - ちょこさん» コメントありがとうございます!その後に関しましては全員登場してから考えようかなと思っています!次のシリーズも執筆準備中ですので長い目で見ていただければありがたいです! (2022年4月2日 11時) (レス) id: 2017f33955 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい!あとセンラさんのお話も楽しみに待ってます! (2022年3月9日 2時) (レス) @page50 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
夜紅茶(プロフ) - りとさん» コメントありがとうございます!最後の部分は結構構想練りながら考えたところなのでとても嬉しいです! (2021年7月4日 15時) (レス) id: 2017f33955 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - コメント失礼します!最後泣いちゃうぐらい最高でした。ありがとうございます (2021年7月4日 11時) (レス) id: 00ec0e89a7 (このIDを非表示/違反報告)
柴イヌ - 返信ありがとうございます!是非、これからも見させていただきます! (2021年2月21日 23時) (レス) id: 525b615957 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夜紅茶 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年8月7日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。