sweet×36 ページ37
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一体この体制のまま天井を見上げて、どのくらいの時間が経過したんだろうか。
身体は鉛よりも重いから起き上がれない。寒気もして頭がうまく働かない。
「Aさーん！いらっしゃいますか？」
玄関の扉が開かれた音がした。そういえば昨日鍵もかけずにそのままにしちゃったんだっけ。
誰が入ってくるとかそんなのもう、どうでもいい。
「せんぱ…Aさん！？」
すると途端に足が進むペースが早くなり、こちらに近づいてくる音がした。
「分かりますか？私です！」
薄らと目を少しだけ開けば見覚えのある、不安そうに向けられるブラウンの瞳。
…あ、後輩ちゃんだ。
「ご、めん」
ゆらりと今ある力で上半身を無理やりにでも起こして下に俯いた。こんな醜態、見せたくなくて。
けど、どうしても。
「わたし、だめだなぁ…っ」
乾いてしまった涙はまた自分へ込めた憎悪によって溢れ返ってくる。
どうしても、今だけは自分が許せない。脆い心になった自分を許せない。そんな自分のことを好きになれない。
「…とりあえず、大人しく座っててください」
*❋✵❋*
「勝手に台所お借りました。とにかくまずはお腹になにか入れておいてください。そうしないとまともに思考が働かないでしょう」
そう言われて渡されたのはベーコンと玉ねぎが入った暖かそうなコンソメのスープ。私はスープが入った容器を受け取り大人しくソファに座っていた。
「…先輩、変わりましたよね」
「え？」
唐突にそんな話をするものだから私は顔を上げれば困ったように笑う後輩ちゃん。
「先輩のことを初めて見た時、何故か思ったんですよね。“あ、私と似てるな”って」
「…そんなに私はキラキラしてないよ」
「カーストとかキャラとかそういうのじゃないです。目の雰囲気とかオーラが似てるなって」
後輩ちゃんは「隣、失礼します」と私の横の空いたスペースに腰掛けた。
ちゃんと私を正面から見てくれる人、いないと思ってたのに。
「たまに私も思うんですよ。周りの圧力や劣等感から手放したい、楽になりたい、消えてしまいたい。そんなネガティブな感情が」
共感出来る、私もいつも思っていた。あの人から貼られたレッテル、周りから決めつけられた価値観。そんなものが鬱陶しいと思う日々が私の中で続いていた。
「けど、その考えを変えてくれる人がいた。そんな人が私の命を繋ぎ止める足枷になってくれた」
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夜紅茶(プロフ) - ちょこさん» コメントありがとうございます！その後に関しましては全員登場してから考えようかなと思っています！次のシリーズも執筆準備中ですので長い目で見ていただければありがたいです！ (2022年4月2日 11時) (
レス) id: 2017f33955 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！その後話が欲しい！あとセンラさんのお話も楽しみに待ってます！ (2022年3月9日 2時) (レス) @page50 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
夜紅茶(プロフ) - りとさん» コメントありがとうございます！最後の部分は結構構想練りながら考えたところなのでとても嬉しいです！ (2021年7月4日 15時) (レス) id: 2017f33955 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - コメント失礼します！最後泣いちゃうぐらい最高でした。ありがとうございます (2021年7月4日 11時) (レス) id: 00ec0e89a7 (このIDを非表示/違反報告)
柴イヌ - 返信ありがとうございます！是非、これからも見させていただきます！ (2021年2月21日 23時) (レス) id: 525b615957 (このIDを非表示/違反報告)
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