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sweet×18 ページ19




*❋✵❋*



「っ…ふっ、んぁ」


甘くて苦い、酸素を肺の中に取り入れようとしてもまた邪魔してくる。


「んむっ…」


辛すぎて致死量を越してしまうほど。体の中にある重みは少しづつ抜けているはずなのに頭が真っ白になってフォークでクランベリーを潰すように思考を全て掻き消される。

唇から細く糸を引きながら離れれば暗闇の中で艶やかな笑みを浮かべるビリジアン。

…あぁそっか、これは夢じゃないんだ。


「お目覚めか?」


私の両手首を押えて上から見下すうらたさん。目の奥がいつもより爛々としていて宝石の輝きが更に増していた。悪魔というよりかは獣のように恐ろしくて目が離せない。

(…少しだけ怖い。)



「…ふっ、少しだけお前の負のエネルギーの味が変化したと思ったら俺に恐怖を抱き始めたか」

「味?」

「微妙に違うんだよ。感情に怖さが含まれてるとちょっと濃厚さが増す」

「…わからないんです。今自分の感情がどこに行ってるのかも」



夜というものは不思議と自分の心をあまり動かしてくれない。私にも苦手なものは勿論ある、けどこんな月よく見える静かな夜は何も感じさせてくれない。

最近よく考えるのはうらたさんに対して少しでも役に立っているのかどうかとか。けれども今はそれでいいんじゃないかと気が緩んでしまっている部分もある。

するとうらたさんは溜息をついてから手首の力を弱めた。気を抜いて逸らしていた視線を戻せば私から降りて隣に並んで寝っ転がった。


「俺達はあくまでも契約した関係。お前の感情についてちゃんと俺が教えることはできない」

「そう、ですよね」

「…けど、解決策ならある」



うらたさんは私の胸元に人差し指を一つトンっと置いてからビリジアンの瞳を真っ直ぐ向けて言葉を放った。



「__俺を好きになれ」



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夜紅茶(プロフ) - ちょこさん» コメントありがとうございます!その後に関しましては全員登場してから考えようかなと思っています!次のシリーズも執筆準備中ですので長い目で見ていただければありがたいです! (2022年4月2日 11時) (レス) id: 2017f33955 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい!あとセンラさんのお話も楽しみに待ってます! (2022年3月9日 2時) (レス) @page50 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
夜紅茶(プロフ) - りとさん» コメントありがとうございます!最後の部分は結構構想練りながら考えたところなのでとても嬉しいです! (2021年7月4日 15時) (レス) id: 2017f33955 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - コメント失礼します!最後泣いちゃうぐらい最高でした。ありがとうございます (2021年7月4日 11時) (レス) id: 00ec0e89a7 (このIDを非表示/違反報告)
柴イヌ - 返信ありがとうございます!是非、これからも見させていただきます! (2021年2月21日 23時) (レス) id: 525b615957 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜紅茶 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年8月7日 17時

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