sugar×19 ページ20
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後から知ったんだけど折原先生にもパートナーがいるらしく違う職場だけど同居生活をしているらしい。絶対苦労しかないだろうけど
「ただいま…」
玄関に入った瞬間耐えていた疲れがどっと出てきて即座に廊下を小走りで去り、部屋の扉を開け制服だということも気にせずにベットに飛び込んだ。
もう、いつにもなく力が抜けていく…
「なんちゅーカッコしてんねん」
毛布の触れ心地を楽しんでいると勉強机の方から声がして視線だけを追っていった。そこには椅子の後方部分を掴み逆座りをする志麻がいた。
というかさっきまではいなかった気がするんだけど。
「…なんだ、いたの」
「いたのって…まぁ行く宛もないんでね」
会って数日も満たないと言うのに違和感もなくこの空間に馴染んでいた。けれども今日絡みやら意地が悪い行動や言動を入れてこなかったのも珍しい。なんなら今の志麻の表情なんか笑ってもなく視線が下に落ちてるし
昨日まではあんなにハエのように飛び回ってたのに。
「…お前、全部言えたんか」
「何が?」
「アイツらに。思ってたこと全部」
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『コソコソと隠れて陰湿ないじめをやってるみなみの下僕はこっちから願い下げだっつってんだよ!__ばぁーか!!』
昼下がりの空中散歩の途中でどうしてもAの様子が気になって覗きに来てみたところ強気な顔で威勢を放ちながらあのいじめっ子という奴らにガンを飛ばしていた
アイツが、一瞬でも反抗する態度を見せた。
怯えて泣いたり絶望したり苦痛の顔にしか興味を惹かれなかったのに幸福そうな顔だの悠長な態度なんだのは俺の苦手なものだったのに
(あの言葉に目を惹かれたとか)
酷く脆く醜い、それが人間にも通ずるものがあるんじゃないかってずっと自分等の種族を格上のものだと見下していた
人間にだって貪欲な願いとかそんなんを願う奴らの方がよっぽど多い方だと決めつけがちだった
「…まぁ正直言うと全然物足りないね。美人顔を歪めさせたくらいじゃあ」
「うわっ鬼畜ぅ」
「悪魔にだけは言われたくないよねぇ」
なのにこいつはその悪魔の挑発に乗っただけではなく自ら短い時間で行動に移そうと計画を立てた。
(…人間を更生させるのが悪魔の仕事じゃないんやけどねぇ。)
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夜紅茶(プロフ) - ちょこさん» コメントありがとうございます!続編を希望していただきありがたいです!一応こぼれ話としてなにか書けないか検討してみます! (2022年4月2日 11時) (レス) id: 2017f33955 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2022年2月21日 4時) (レス) @page50 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - さざんかさん» コメントしていただきありがとうございます!今後も作品を見守っていただければ幸いです! (2020年4月13日 9時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 普段全く他の方の作品にコメントする事はないのですが、この作品は本当にドストライクなので初コメ失礼致します…!完結おめでとうございます!悪魔と天使のお話も凄く深いなと思いました。。伏線も凄く気になります…!今作品関連作品が出たらまた読ませて頂きます!! (2020年4月13日 2時) (レス) id: 63429259c8 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - コメント、評価をしていただきありがとうございます!ご期待に添えるよう努力していく次第なのでよろしくお願いします! (2020年4月3日 22時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/qZN5vxyJ6V2/
作成日時:2020年2月24日 22時