白雪姫と7人の恋人たち 1 (ページ42)

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翌日……

「やばー！！！時間ギリギリ！！！」

走ってシェアハウスを出ようとすると

「Aちゃん！今日、21時ごろから台風来るから傘持って行きなよー！」

オーナーさんが声をかけてくれた

「えっ？！そうなんですか？教えてくれてありがとうございますっ！」

慌てて傘を持って駅まで走る

昨日は食堂でいつのまにか寝てしまって
目覚めたらなかなかギリギリの時間…

急いでシャワーを浴びて支度して
なんとか出社時間には間に合いそうだ

「おはよーございますっ！！！」

駅から走ってきたせいで
無駄に大きな声になってしまった

「おー！！元気いいね！今日もよろしく」

先に出社していた北山さんに挨拶して
頼まれた仕事をこなす

「どう？終われそ？」

「あっ、はいっ！」

「俺、今日定時無理そうなんだよね……Aちゃん先帰っといてくれる？」

「わかりました…でも、今朝オーナーさんが21時ごろ台風が来るって言ってましたよ……遅くなりそうなら気をつけてくださいね」

「マジ？じゃぁ、俺今日は泊まろうかな…取り敢えず、Aちゃんは気をつけて帰って」

「泊まるんですか？ここって、そういう設備あったんですね」

「一応、仮眠室はある………けど、ヤローがゴロゴロしてる部屋だし女の子は泊まらせたくないな……そういえば、昨日どうやって部屋に帰ったか覚えてる？」

「えっ？………えーっと、昨日は確か………食堂で寝て………どうやって帰ったんでしょう？」

悩む私に北山さんが耳元で囁いた

「俺がベッドに寝かせてあげた」

「？！？…………////」

耳元で囁かれた事と誤解を招くような言い方に
顔が真っ赤になった

「あのっ……///私………」

詳しく聞きたいような聞きたくないような気持ちで北山さんを見上げると

「時間……17時だから帰っていいよ…気をつけてね」

優しく笑って仕事に戻ってしまった

「私……ヨダレとか垂らしてなかったかな……」

色気のない心配に自分でも虚しくなる