白雪姫と7人の恋人たち 1

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「お先に失礼しまーす」



残っている人たちに声をかけて
外に出ると
予想以上の強風………



「うわっ………飛ばされそう………」



幸いまだ雨は降っていない
でも、さすが台風……
風の強さが尋常ではなかった………


いつもの帰り道を一人でトボトボ帰る
シェアハウスから一番近い公園の横を通ると
見覚えのある姿を見つけた




「あれっ？千ちゃーん！！！」



大声で叫んでも強風のせいか全く気づかない
駆けよってダンスしている千ちゃんに声をかけた



「千ちゃん！お疲れ様！ダンスの練習？」



急に現れた私に驚いた様子の千ちゃんは



「Aちゃんかー！！！二階堂かと思った」



そう言って笑った



「いつもココで練習してるの？」



「うん！新しい振り付けとか考えたりしてね！
例えば、こんなのとか！」


「すごーいっ！ちょっと私にも教えて！」


ダンスのセンスもないくせにカバンを置いて
千ちゃんの隣に立つ


「違うって！こう！この手は上！」



私のセンスの無さにもあきれず付き合ってくれる
千ちゃん………



「やっぱり無理だー！！！！」



あきらめてベンチに座る私を見て



「そんな難しい？」



困り顔の千ちゃん………



「あっ！今何時？そういえば台風が来るから早く帰るんだった！千ちゃんも早く帰ろっ！」


ダンスに夢中で忘れていた台風
気づけば小雨が降り出していた



「やば！雨降ってきてない？Aちゃんこっち！ここ抜けた方が早いから！」



私の手を取って小道を抜けていく千ちゃん



(やっぱり都会の男の人は何の躊躇もなく手つなぐ……)



そんなことを考えているうちに
雨が強くなってきた

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