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「藤ヶ谷さん、最近 営業忙しそうですね……新規のお客さん開拓したんですか?」
「えっ?最近?全然暇だけど、こないだなんて部長が"最近コンペなさすぎて新規が期待できないからせめて今のお客さんとこ丁寧に回ってこい"って言いだしてさ……でも、そんなのいつも回ってるしすぐ終わるじゃん?俺、定時で帰っても暇で暇で」
「えっ?残業なしですか?」
「うん……最近はみんな定時で帰ってるけど」
「……………」
玉森くんは残業って言ってたのに
藤ヶ谷さんは定時って言うし……
こっそり後をつけようかとも思ったけれど
そんな勇気はないし、尾行が得意な探偵でもない
「今日も残業で………」
そう言われるたびに
胸がズキンと痛むようになっていた
「ねぇ、玉森くん……最近、残業多くない?営業忙しいの?」
「あー………うん、まぁね」
「…………そう」
結局いつも、これ以上聞けない……
踏み込んだとして
「Aさん、俺好きな人出来たから別れて」
とか……
「Aさんのこと、飽きちゃった!俺、ここ出てくわ!」
とか………言われたら
もう………立ち直れない………
「はぁ……………」
今日何度目かのため息をついた
「Aちゃんどうしたの?ため息なんかついて」
「藤ヶ谷さん……。いや……何でもないです…ちょっと疲れてて……」
「本当に?すっごい悩みを抱えてそうな顔してたけど……あっ!そうだ!今日よかったらご飯でも行かない?」
「いいんですか?」
気持ちがパッと軽くなる
最近、一人でご飯を食べることが多くなって
家に帰るのが憂鬱だ……
玉森くんが入社してくるまでは
こうやってよく藤ヶ谷さんと食事に行って
仕事終わりで悩みとか
色んな話をして過ごしていたのが懐かしい
「もちろんだよ!じゃあ、仕事終わったら迎えにくる!」
(今日も玉森くんは残業って言ってたから、大丈夫だよね)
「はいっ!」
定時まで仕事をして藤ヶ谷さんと会社を出ると
昔よく通っていたお店に行くことにした
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作者名:ゆり | 作成日時:2019年4月29日 16時