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「今日は、仲直りのご飯ね!」
「新しく出来たバイキングのお店行こ!」
仲直りすると仕事も自然と楽しくなって
なかなか進まなかった作業も
サクッと定時に終わった
「あのお店さ、営業の佐藤さんが言ってたけど
18時ごろ行くといつもないメニューが出てるらしいよ」
「そうなの?じゃぁ、18時まで時間つぶす?」
「でも、まだ30分もあるよ」
「30分なんてすぐだよー!」
2人でお喋りして美味しいご飯を食べて
気づけばいつもの終電コース………
「あー、楽しかったっ♪」
「やっぱ、さくらといると楽しいなぁ♪これで雨じゃなかったら最高だった……」
「Aって本当雨嫌いだよね」
「うん、雨は憂鬱な気分になる……」
「それいつも言ってる!じゃぁ、また明日」
「うん、またねー」
最終電車に乗って最寄りの駅に着くと
傘を広げてマンションまで歩く
周りのお店も閉まって街全体が薄暗い中
エントランスの光に照らされて
びしょ濡れになっている人を見つけた
(……誰?また玉森くん?あんなに待つなって言ったのに……傘もささないで……なんで中で待ってないのよ)
「………玉森くんっ!こんなとこで待ってても私の気持ちは変わらないって………言ったでしょ……?」
「あぁ………やっと帰ってきた……」
うつむいた顔が上がって目が合うと
その姿に動揺する
「…………北山さん?」
「ははっ………こんなとこで待っててごめん……びしょ濡れだし……かっこ悪……」
ゆらゆら揺れる瞳から
今にも涙が溢れそうに見えた
「………どうしたんですか?こんなところで……」
「ちょっと…会いたくなって………」
「玉森くんですか?それなら今すぐ呼んで…」
「待って!………違う……Aさんに………会いたくて」
グイッと引っ張られた腕に力がこもる
「……彼女と何かあったんですか………?」
これ以上北山さんが濡れないように
傘を傾けると座ったまま私を見上げた北山さんは
甘えるようにお腹に抱きついた
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作者名:ゆり | 作成日時:2019年3月30日 1時