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「酔っていたとはいえ、昴の発言は好ましくないものだった。

椿も面白半分にからかって悪化させて、昴は余計に君たちを傷つけてしまう発言をしてしまった。

弟の代わりに、兄としてまず俺がAちゃんに謝る」

少しだけ頭を下げて詫び、続けて言った。

「それに俺も……昴と椿を止められなかった。

本当にごめんね」

悲しげ、というよりも苦しげな表情に変わって、謝る要さん。

「そんな……謝らないでください。お酒が入っていたことや椿さんがノリで言ってしまったのも、なんとなく分かります。

要さんも悪くないです。

……悪いのは、私たちです。

皆さんの会話を勝手に盗み聞きして、結果的に傷ついてしまったんです。

それに、私が昴さんの立場なら……」

そこまで言うと、急に腕を引っ張られ、私は何かに包まれた。

あまりに急なことだったため、要さんに抱きしめられたということに気づくまでには、数秒を要した。

「あ、あの!要さん!?」

慌てて名前を呼ぶと、私の背中に回されていた腕が片方、私の頭へとやってきたのが分かった。

そして、そのまま頭をポンポンと撫でられ、耳元でこう囁かれた。

「君のことは……大切な妹だと思っているよ。

決して迷惑なんかじゃない。

だから、悲しいことや辛いことがあれば、俺たちを頼ってほしい。

我慢しないでほしい」

「大切な、いもうと……」

私は"姉"というだけで、いつだって責任を押し付けられ、弱みを見せられなかった。

それと反対に、"妹"の絵麻は、周りからちやほやされて、甘やかされていた。

そのせいで、私より"妹"の方が大切にされていると思っていた。羨ましかった。

『大切な"妹"』

もしかしたら、気づかぬうちに私が最も求めていたコトバだったかもしれない。

要さんのコトバに、私の何ががプツンと切れ、私は彼の腕の中で、静かに涙を流した。

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作品ジャンル:アニメ
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ぷよぷよぷよん♪(プロフ) - 美姫さん» そう言っていただいて嬉しいです!ただいま書き溜めている最中ですので、また溜まったら一気に放出します!美姫さんのお声を励みに頑張りたいと思います!コメントありがとうございました! (2021年5月9日 23時) (レス) id: 89aa548621 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 最高に面白いです!!続きがとても気になります!更新頑張ってください!! (2021年5月6日 7時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよぷよぷよん♪(プロフ) - Kさん» ありがとうございます! (2021年4月29日 21時) (レス) id: 89aa548621 (このIDを非表示/違反報告)
K - 頑張ってください!応援しております! (2021年3月22日 2時) (レス) id: 0b64bc8b9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぷよぷよぷよん♪ | 作成日時:2021年2月12日 23時

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