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ダイニングへたどり着くと、そこには少し顔の赤い要さんと椿さんがいた。
私と梓さんを見て驚いたのか、目を見開いている。
「昴のさっきの話、Aちゃんたちが聞いてたみたいだよ。
全く…椿がからかうから」
「げ、マジかよ!ごめん!Aちゃん!」
梓さんの話を聞いて、椿さんが手を合わせて私に謝る。
「あ、いえ。私は大丈夫です」
笑って返すと、少し安心した様子の椿さん。
「僕と椿は絵麻ちゃんのところに行くから、
かな兄はAちゃんをよろしく」
「あいよー」
「はーい」
「えっ!?!?」
軽く返事をする要さんと椿さんに対し、大声を上げて返事をする私。
(まさか…?)
どうやら私が気持ちを誤魔化しているのが梓さんにバレて、要さんにカウンセリングさせようとしたようだ。策士だ。
リビングに取り残された私は、しばらく黙って立っていた。
要さんは、少し悲しげな表情をしていた。
「……ソファに座ろうか?」
そう提案した要さんは、私の手を握り、ソファへと優しく導いた。
要さんに促されるまま、私は大人しく彼の隣に座った。
「あの……」
「ん?」
私が話を切り出すと、蕩けた目で微笑みながら返事をする要さん。
「そろそろ手、離してもらえますか……?」
ソファへ導かれるときに繋がれた私の手は、ソファに座ってもなお、要さんに握られたままだった。
「えーいいじゃない。
久々にAちゃんと2人きりで話せるんだから」
そう言って先ほどまでよりも強く私の手を握る要さん。
「はあ……」
私は手のことを諦め、そっぽを向いた。
「あれ?拗ねちゃった?」
半笑いで少しふざけたように尋ねてくる要さんに、
「拗ねてません」
と、私はツーンとしながら答えた。
するといきなり、
「ごめん」
と静かに低い声が響いた。
ふざけた調子が一切なくなった声音に驚き、そっぽを向くのをやめて、要さんの方を向くと、目があった。
悲しげな表情で、こちらを真っ直ぐに見つめてくる要さんは、こう言った。
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ぷよぷよぷよん♪(プロフ) - 美姫さん» そう言っていただいて嬉しいです!ただいま書き溜めている最中ですので、また溜まったら一気に放出します!美姫さんのお声を励みに頑張りたいと思います!コメントありがとうございました! (2021年5月9日 23時) (レス) id: 89aa548621 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 最高に面白いです!!続きがとても気になります!更新頑張ってください!! (2021年5月6日 7時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよぷよぷよん♪(プロフ) - Kさん» ありがとうございます! (2021年4月29日 21時) (レス) id: 89aa548621 (このIDを非表示/違反報告)
K - 頑張ってください!応援しております! (2021年3月22日 2時) (レス) id: 0b64bc8b9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷよぷよぷよん♪ | 作成日時:2021年2月12日 23時