120 ページ30
5階のリビングに、私・弥・光さんの3人で入ると、
異質なメンバーだったからか、はたまた何故私が光さんを知っているのか疑問に思ったからなのか、
キッチンにいた右京さんに訝しげな表情をされた。
「ただいまー!」
そんなことは露知らず、元気に叫ぶ弥。
「ただいま帰りました、右京さん」
私も弥に習い、気づかないふりをして、ただいまと言った。
「ただいま。久しぶりね、京兄」
光さんはニヤニヤしながらそう言った。
きっと右京さんの表情を見て、楽しんでいるのだと思う。
「なぜお前がここにいる、光…。しかもAさんたちまで引き連れて…」
どうやら右京さんが気に入らなかったのは、光さんの存在?らしい。
「あら、何か変かしら?」
「変なことしかないだろ!」
限界が来たのか、荒々しく叫ぶ右京さん。
口調まで荒々しいのは珍しく、ここだけの話、正直感動してしまった。
「そんなに声を荒げないでもいいじゃない。
ほんとにそこで会っただけよ。
本当はこっそり見守りたかったのだけど、そこのガキが勘付いたのよ」
「はぁ……そうですか…」
そう言って諦めたように右京さんは、すごくシワの寄った眉間に手をやった。
「それで、光はそもそもなぜ帰国したのですか?」
「あら、失礼ね。もちろん、生みの親の結婚式に出席するためじゃないの。
まぁ、それだけじゃないんだけどね」
理由に納得せざるを得ないという、少し悔しさの滲み出た顔をする右京さん。
「それだけじゃないとは、どういうことですか?」
最後に引っかかったのか、右京さんはそこだけ質問した。
「ん?そうねー。彼女たちにプレゼントを届けにきた、ことかしら」
「はぁ???」
さらに意味のわからないという右京さんだが、私より意味のわからない顔をしないでくれ。
「はい、これ」
そう言って光さんは私に、先ほどまで持っていた大きな紙袋を渡してきた。
「あ、ありがとうございます…?」
やけに大荷物だと思ってたけど、私のためだったのかと思うと、なんだが申し訳なくなってきた。
しかし中身は分からないため、とりあえずなんとも言えない表情でお礼だけしておいた。
115人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぷよぷよぷよん♪(プロフ) - 美姫さん» そう言っていただいて嬉しいです!ただいま書き溜めている最中ですので、また溜まったら一気に放出します!美姫さんのお声を励みに頑張りたいと思います!コメントありがとうございました! (2021年5月9日 23時) (レス) id: 89aa548621 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 最高に面白いです!!続きがとても気になります!更新頑張ってください!! (2021年5月6日 7時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよぷよぷよん♪(プロフ) - Kさん» ありがとうございます! (2021年4月29日 21時) (レス) id: 89aa548621 (このIDを非表示/違反報告)
K - 頑張ってください!応援しております! (2021年3月22日 2時) (レス) id: 0b64bc8b9e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぷよぷよぷよん♪ | 作成日時:2021年2月12日 23時