112 ページ22
「……これで大体半分くらい回ったんだけど、どうする?少し休憩する?」
校舎と校舎をつなぐテラスで祈織さんが言った。
「私はどちらでも大丈夫です。絵麻は?」
「あ、私は少しお手洗いに……」
「そう。それならそこを曲がったところにあるから、行っておいで。僕たちはここで待ってるよ」
「はい」
絵麻はあたふたと化粧室へと向かった。
そして、私と祈織さんは2人きりになった。
祈織さんとは家ではあまり話さないから、少し緊張する。
「Aちゃんは、ここへは来たことがあるんだよね?」
若干気まずい雰囲気になりかけていたのを、察したのかどうかは分からないが、祈織さんが話しかけてくれる。
「あ、はい。中学生の時に学校見学で…。でも忘れてる場所が多くて、今日初めて来た気分で、楽しいです」
「そう。楽しんでくれてよかった」
私の答えに、祈織さんは柔らかく微笑んで返した。
顔面偏差値の高い朝日奈家でも、祈織さんは相当な美形なので、思わず惚れ惚れとした。
祈織さんの笑顔に見惚れていると、あちこちから女の子の声が聞こえてきた。
『誰あれ?』
『朝日奈先輩の彼女?!』
『え、でもさっき、髪の毛アップしてる、別の女の子もいなかった?』
『そうなの?』
『うん、その子の方が可愛かったよ』
『じゃあその子が彼女なのかな?』
「……」
(祈織さんってモテるんだなぁ……)
絵麻と3人で回っている間も、何度か視線を感じたりしていた。
祈織さんと2人きりになり、陰から聞こえる声がより鮮明に聞こえるようになって、正直落ち着けなくなってしまった。
115人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぷよぷよぷよん♪(プロフ) - 美姫さん» そう言っていただいて嬉しいです!ただいま書き溜めている最中ですので、また溜まったら一気に放出します!美姫さんのお声を励みに頑張りたいと思います!コメントありがとうございました! (2021年5月9日 23時) (レス) id: 89aa548621 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 最高に面白いです!!続きがとても気になります!更新頑張ってください!! (2021年5月6日 7時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよぷよぷよん♪(プロフ) - Kさん» ありがとうございます! (2021年4月29日 21時) (レス) id: 89aa548621 (このIDを非表示/違反報告)
K - 頑張ってください!応援しております! (2021年3月22日 2時) (レス) id: 0b64bc8b9e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぷよぷよぷよん♪ | 作成日時:2021年2月12日 23時