こいつの未来 ページ8
シルク「うっわぁ…、すげぇ量だな…」
顔を赤く染めて両手をポケットに入れ、
俯きながら歩くシルクに何とか追いつきながら
俺達はそこそこデカイショッピングモールに
着いた。
中へ入ると涼しい風が頬を撫で、
クーラーが効いているのだとホッと息を吐く。
１番に目に飛び込んできたのはカラフルな色で
飾られた数々の浴衣。
男物は紺や黒など落ち着いた物が多いが、
隣に飾られている女性物の浴衣は赤、青、黄、
緑、ピンクなど、色鮮やかなものばかり。
真ん中で浴衣を着て立っている二つのマネキン
は紺色と桃色の浴衣の男女。
テレビで手を繋いで笑っていたカップルを
思い出す。
あのカップル、男の方が小さかったな……。
あ、シルクみてぇだったわwww
想像してしまうと面白おかしくて、
隣に本人がいながらも吹き出してしまう。
シルク「お前、何笑ってんだよ…ww」
『いや、何もない…www』
口では何も無いと言いつつも笑いは止まらず
シルクにも変な目で見られる。
『お前…ww浴衣着ても小さいんだろうな…ww』
問い詰められた俺は素直に、笑いながら
理由を打ち明ける。
シルク「はぁあ！？うっぜぇ」
シルクは大声を出して俺に飛びかかってくるが
背の小さいこいつの攻撃は俺にとって何の
危害もない。まぁ、筋肉すげぇから少し後ろに
倒れそうになるがどうってことはない。
『悪い…wwww』
顔を真っ赤にしながら怒るこいつを見ながら
ふと、俺は頭に浮かんだ。
いつかこいつも、可愛い彼女作って、
一緒に花火大会行って、あのカップルみたいに
手を繋いで笑うんだろう。
なら、俺のこいつへのこの気持ちは、
捨てた方がいい。
それがこいつのためであり、俺のためだ。
シルク「マサイ？どうかしたか？」
『…何でもねぇよ』
小さく笑うとこいつの眉が少し下がるのが
分かった。
あぁ、困らせてしまったのか。
大丈夫だよ、俺はちゃんと、捨てるから。
『ほら、浴衣買うぞ』
シルクの顔を見ない振りをして
男性の浴衣売り場へ足を運んだ。
シルク「あっ、おい、待てよ！」
慌てた声でシルクが俺を追いかけてくる。
ポケットに入っていた企画案を
くしゃくしゃに丸めてゴミ箱へ捨てた。
こいつへの想いも一緒に
シルク「これ、マサイの字……」
鏡に写る俺の頬に一筋の水が伝った。
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凛月(プロフ) - 、さん» 見落としていました。ありがとうごさいました。 (2018年7月23日 22時) (
レス) id: 9c150fb34b (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグちゃんと外しましょう。違反行為です (2018年7月23日 21時) (レス) id: 3c9ca68a27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さな | 作成日時：2018年6月2日 12時
