これからも二人で ページ46
ベッドの上で座ったまま、智と口づけを交わした。
しばらくのキスの後、俺は一旦唇を離し、至近距離で智を見つめた。
ニ「あのさ…智」
大「うん？」
ニ「俺、実はさぁ…」
少し体を離して、智の両肩を掴んだ。
智が真っ直ぐに俺を見つめる。
俺は意を決して口を開いた。
ニ「高校の時からずっと…智のことが好きだったんだよね」
智への想いが高校の時からだったということを、今ようやく智に伝えた。
俺の片想いが長かったということを、初めて伝えた瞬間だった。
智は俺を見つめたまま黙っている。
ニ「…だから、あの人は俺の気持ちに気付いて、出てったんだよ」
大「………」
ニ「笑っちゃうよね…。高校の時からずっとだよ？卒業してから何年も会ってなかったのに。気持ち悪いよね(笑)」
阿呆らしくて、おどけるように笑ってみせた。
すると智が、肩を掴む俺の手首をそっと握った。
大「んじゃあ、同じだね」
ニ「えっ」
智がニカッと笑った。
ニ「えっ、どっ、どういうこと！？」
大「んふふ」
ニ「そっ、それってつまりっ……ン」
智の唇で口を塞がれた。
そして、そのままベッドに押し倒された。
唇を離した智が、俺を見下ろす。
優しい顔で。
ニ「…ねぇ…もしかして、智も…」
大「教えない」
ニ「ぁ…っ」
強制的に始まって、それ以上は聞けなかった。
ほんとに、ズルい男だよね…
だけどそんなこの人を、俺は愛し続けてしまうんだ。
他の誰に見られることなく、二人だけの空間で、俺達は素肌で絡み合う体を、ギシギシと音を立てて弾ませた。
智の首に腕を回し、時折唇を重ね。
俺も智も、口から漏れる息が荒くなっていった。
大「和…」
上から掠れた声で呼ばれ、ボウとする頭で智と目を合わせた。
大「…出そう」
ニ「…じゃあ…ナカに…っ」
大「妊娠しちゃうかもよ…？」
ニ「…じゃあ…尚更だよ…っ」
そう言って、薄っすらと笑ってみせた。
最後に大きく揺れた後、体の中にじんわりと熱いものを感じた。
お互いにビクンと震える体を抱きしめ合った。
ああ、どうか。
新しい命が誕生しますように。
なんてね。
俺は久しぶりにベッドの柔らかさに包まれながら。
あかねと智と、仲良く3人で眠る夢を見た。
−完−
終わり
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2018年5月19日 14時
