あかねは俺の娘�� ページ39
大「んふふふ」
智が目を瞑って笑いだした。
ニ「え…？」
大「『うん』て言うと思う？」
ニ「………」
大「おいらねぇ、あん時ちょっと感動したんだよ」
なんか急に、おいらって言い出したけど…
大「和が『二宮 茜は俺の娘』て言った時、カッコ良かった」
ニ「え…」
大「ほんで、なんか嬉しかった」
ニ「智…」
大「和がそこまで真剣に考えてるなら、俺も和の手助けがしたい」
ニ「えっ、じゃあ…」
大「俺も一緒に、あかねの面倒見るよ」
智…
普通に「俺」に戻ってる…
大「だから、別れるとか言わないで」
ニ「…言うわけねーじゃん！」
大「良かった」
智の優しい言葉と気持ちに、じんわりと涙が浮かんだ。
本当に良い奴だよ…。
やっぱり俺の目に狂いはなかった。
この人を好きになって、本当に良かった。
大野智の優しさと器の大きさを改めて確認し、智への想いは更に深くなった。
ニ「ありがとう…智」
心から思う気持ちを、智の目を見ながら素直に伝えた。
そして、ベッドでコロリと寝返りをうつあかねに、視線を落とした。
俺は少し体を屈め、あかねのおでこから頭にかけて、サラリと優しく撫でた。
まるで、我が子を慈しむ父親のように。
大「和」
ニ「ん？」
大「あかねが可愛い？」
ニ「…うん。めたんこ可愛い」
大「こりゃ、親バカになるぞ(笑)」
ニ「フフフッ。智はどう？」
大「・・うん。めたんこ可愛い！」
ニ「うはははははっ、お前もじゃねぇか！(笑)」
大「いいじゃん、親ばかカップル(笑)」
ニ「親バカップルね(笑)」
それもいいかもしれない。
信じられないけど、子供が苦手だった俺が。
父親になんて絶対向いていないと思っていた俺が。
今はあかねを本当の自分の子供のように可愛がり、大事にしたいと思っている。
本当に自分が父親だったらいいなとさえ思う。
この時俺の中では、このまま母親が迎えに来なくてもいいやと思っていたんだ。
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2018年5月19日 14時
