戸惑いと迷い�� ページ23
【相葉雅紀】
薄暗い部屋のベッドの上。
翔ちゃんの脚を抱えながら、一心不乱に腰を振った。
下にいる翔ちゃんの眉間にシワが寄り、次第に顔を歪ませた。
櫻「…あっ、あ、雅紀っ…」
相「ごめっ、翔ちゃんっ…もうイキそっ…」
返事をする余裕がないのか、翔ちゃんは顔を歪めたまま、ウンウンと頭を振った。
更にスピードを上げ、肌の音が響くほどに攻め立てると、翔ちゃんが俺にしがみついて爪を立てた。
その痛みを感じながら、俺は意識を一点に集中させ、最後にグッと下半身に力を入れた。
下着だけの格好で冷蔵庫を開け、ペットボトルの水を取り出し、渇いた喉を潤した。
俺は、もう一本未開封の水を持って寝室に戻った。
布団を掛けて上半身を起こしている翔ちゃんに、ハイと水を渡した。
櫻「ありがと」
俺は翔ちゃんに背を向けて、ベッドに腰を下ろした。
櫻「雅紀」
相「んー？」
櫻「どうしたの…？」
スッと振り向くと、なんだか複雑そうな顔で俺を見ていた。
櫻「何かあったの…？」
相「なんで…？」
櫻「だって、雅紀今日…いつもより激しかったから」
相「あっ、ごめんっ…嫌だった？」
櫻「嫌じゃないけど…何かあったのかなって」
まんまと翔ちゃんに見透かされ、俺は正直に自分の気持ちを打ち明けようと、翔ちゃんの隣に入り込んだ。
相「あのね…翔ちゃん」
櫻「うん？」
相「ニノんちで、あかねちゃんに会った時から思ってたんだけど…」
櫻「うん」
相「翔ちゃんさ…子供すきでしょ？」
櫻「…まあ、嫌いじゃないよ」
相「だからさ…俺、迷っちゃって」
櫻「なにを…？」
相「このまま、翔ちゃんのそばに居ていいのかなって…」
櫻「なんで…？」
相「だって翔ちゃん、このまま俺といたら子供なんてできないよ」
櫻「…それは分かってるよ」
相「翔ちゃんは、それでいいの…？」
不安げに翔ちゃんを見つめると、そっと手を握られた。
櫻「俺は…元々諦めてるからいいんだよ。それよりも雅紀の方こそ本当は子供欲しいんじゃないの…？」
相「俺は…別に…」
櫻「本当にそれでいいの？」
強い眼差しで見つめられ、俺はギュッと手を握り返した。
相「俺は…翔ちゃんがいれば、それでいい。それが俺にとっての幸せだから」
櫻「…それは俺も同じだよ。雅紀がいれば、それでいいし、それが俺にとっての一番の幸せなんだよ」
お互いの気持ちを確かめた俺達は、ベッドの上で強く抱き合った。
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2018年5月19日 14時
