おかえりなさい ページ2
アメリカへ帰ってから、智の人気は徐々に上がっていき、やがてグループで1、2を争うほどの存在になっていった。
その後、智はグループを脱退し、ソロデビューを果たした。
アメリカでソロでの活躍を見せ、ついに日本でのデビューが決まったんだ。
そして今日、ついに智が日本へ帰ってくる。
その事実を智から電話で聞いた日から、俺はこの日をどれだけ楽しみに待っていたか。
本当は、直接空港で迎えたいところだけど、智は日本へ着いて早々、取材だの何だのって、すぐに仕事に行かなければならない。
だから俺は、家で待機。
智がウチへ帰ってくるのを、朝からソワソワとしながら待っている。
珍しくゲームも集中出来やしない。
何度目かのゲームオーバーを迎えた時。
ピコンと携帯のラインの音が鳴った。
すぐに確認すると、智からのラインで。
『今から帰る』
その文字を見て、ピョンっとベッドから飛び起きた。
時間はまだ夕方で、外は日が照っていて明るい。
クーラーの効いたこの部屋で、一枚のチラシを手に取った。
出前のお寿司。
ちょっとお高いけど、今日くらいは智の為に、美味しいお寿司でも用意してやろう。
電話での注文を終えて、無駄にベッドを整える。
出前が先か、智が先か。
数十分後、静かな部屋にインターフォンが鳴った。
俺は静かな声で「はい」と答えた。
玄関へ行き、カチャリとそっとドアを開けた。
ドアの向こうに立っていたのは。
大「ただいま」
待っていた、俺の愛しい恋人。
ニ「おかえり…智」
パタンと扉が閉まってすぐ。
俺達は玄関で抱き合った。
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2018年5月19日 14時
