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「ちょっと！塚ちゃん！おれのAちゃんぎゅーしてたでしょ今！」
振り向くと、ケーキを並べるために厨房から出てきた良亮が、ぷんぷん、という感じで塚ちゃんに怒っている。
「いつから私は良亮のものになったんだろうか」
「塚ちゃんずるい、ゆるさない」
「へへーん、いいだろ」
「塚ちゃんはさっさと仕事しようか？」
私の言葉なんか聞こえてないみたいに、べろべろ〜とかやってる。小学生みたい。
…そんなことより。
「わ！おいしそう！それ今月の新作？」
良亮の持っていたトレーには、いちごやオレンジ、キウイにマスカットと、フルーツがたっぷり乗った、新作のタルトが乗っていた。
「うん、Aちゃん好きそう」
にこにこしながら良亮がショーケースの中にタルトを並べていく。
「うん、好き。こういうの、キラキラしてて」
「きれいだよね」
「俺のケーキは全部好きなんじゃなかったの？」
厨房に続く扉からひょっこりと顔を出して、郁人がにやにやしながら聞く。
「…そんなこと言ったっけ？」
「は！？言ってただろ前に！！」
「忘れちゃった」
「なんだよもー…」
しゅんとしながらトボトボ厨房に戻っていく後ろ姿を見て、
「あぁいうとこカワイイよね」
と、良亮がイヒヒ、と笑った。
「新作？俺にもちょうだい」
「支配人…だから仕事してくださいって…」
「俺の店のパティシエが作るケーキなんだから、味見も仕事でしょ」
支配人の五関さんがふふん、と笑ってカフェスペースの窓際の席に腰掛けると、見計らったかのようにとっつーがティーポットとティーカップを持って現れた。
「はい、五関くん」
「ありがとう、とっつー」
…なんという優雅な光景。
窓から差し込む朝の光が、良い感じに２人を照らしてる。支配人と給仕係というよりは、主人と執事って感じだ。
窓際の席は、支配人のお気に入りの席。
よくここに座って仕事をしている姿を目にするけれど、実はそんな支配人を一目見ようとこの店に来るお客様もいる程で。なるほど、めちゃくちゃ絵になる光景。
とっつーがお皿とフォークを支配人の前に置いて、その上に良亮がそっとタルトを置く。
「うわ〜、めっちゃうまそう」
と、支配人がタルトにフォークをさくりと刺したところで、
チリリン、と、来客を告げるベルが鳴った。
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ろっか(プロフ) - お話めいっぱい書きすぎてあとがき入れられませんでした！！この計画性の無さ！！なのでコメ欄で失礼します。お読み頂きありがとうございました！あとがきはTwitterにでも載せます(笑)…ろっか (2019年12月27日 0時) (
レス) id: 2af5960142 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろっか | 作成日時：2019年11月3日 16時
