その102(大コンペ準備編) ページ8
ヒナさんがぱっと体を離す。
まだ耳に熱が、ヒナさんの感触が、残っている。
｢同性愛、ですか…？｣
私の中では乙女ゲームと言えば男女の恋愛、というイメージが強かった。
｢そうそう！男の子同士でも、女の子同士でもいいの！こう、自覚のない二人がいつの間にか近づいて…｣
ヒナさんがにっこりと笑う。
｢さっきみたいなこと、するんだよ？｣
こてんと首を傾げるヒナさんは少し悪戯っぽい笑み。
｢さっきの…｣
耳はむはむのことかな。
｢沙良ちゃん、どうだった？ドキドキ、した？｣
ドキドキ…？
｢えっと、びっくりは、しました。けど、ドキドキ、は…あ、でも…｣
｢うん、なになに!?｣
｢嬉しかった、です。ヒナさんと、仲良くなれた、気がして｣
嫌じゃなかった。むしろ、暖かかった。
｢んふふ、そっか！｣
いつもよりもナデナデの回数が多い。嬉しい。この世界にきて初めて撫でられるということをされたが、とても気持ちいいものだ。もっと、して欲しくなる。
｢今みたいな行為はね、仲良くなったらするんだよ！だから、私と沙良ちゃんは、もう仲良し！｣
｢！｣
嬉しい。とても嬉しい。こくこくと頷く。
仲良くなると耳はむはむするんだ。覚えておこう。
｢うへへ、沙良ちゃん可愛い…｣
改めて抱きしめられる。私もそっと抱き寄せる。これも暖かいからきっと、仲良くなったらする行為なんだ。
ピンポーン
そうしていると部屋の上から音。続いて声が流れてくる。
｢本日ノ業務ハ、終了デス。各自、終業準備ヲしたノチ、帰宅シテクダサイ。繰り返しマス…｣
｢あー。残念｣
ヒナさんの体が離れていく。何故か無性に寂しくなった。
｢沙良ちゃんも帰らないとね。私はこの仕事片付けて終わるね｣
机の上にはアカウさんからの書類。すぐに終わるんだろうか。
もしヒナさんが遅くなるようであれば、晩御飯の準備を遅くするようミトさんに伝えなくては。
｢あの、ヒナさん｣
｢ん？なあに？｣
｢晩御飯、間に合い、そうですか…？｣
晩御飯もミトさんのお手伝いをすることになっている。帰りに食材を買って帰るようお使いも頼まれている。
ヒナさんは一瞬意味がわからない、という顔をした。
なにか、変なこと言ったかな。やっぱり、新参者の私が晩御飯のことなんて、おこがましいのかもー
｢ああ、大丈夫だよ。いつもトレーラーハウスではご飯食べてないんだ｣
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ソフィア(プロフ) - 如月すやさん» いつもコメントありがとうございます！必ず投稿は続けますので、よろしくお願いします！ (2021年8月23日 23時) (
レス) id: 21c625e26e (このIDを非表示/違反報告)
如月すや(プロフ) - 続編待ってました！ゆっくりでも全然大丈夫（誰目線？）ですので、更新頑張ってください(^-^)/ 応援してます！ (2021年8月19日 16時) (レス) id: f380242dac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソフィア | 作成日時：2021年8月18日 23時
